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紅蓮の虹・83 

俺は、いつか初めて飛んだときに浮かんだ、ひどい傷跡を思い出していた。


そうだ、あの時もコウゲイは忘れておしまいと言っていた・・・

信じられない優しい声で・・・


「コウゲイは、そんなにも四郎が好きだったんだね。」


時を越えて何百年もの間、孵化する卵を守るように、いつか再びまみえますように・・・願いはやっとかなったのだ。


「四郎は誰にでも愛された。」


爺さんと同じ台詞を、コウゲイも繰り返した。


「あのさ・・・。」


・・・本当は、すごく恥ずかしかったけど聞いてみたかった。


「俺が生まれたとき、うれしかった・・・?」


コウゲイは、両手を広げて俺を抱きしめた。


「とても。」


「とても。わたしの虹。」


困ったことに、嫌じゃなかった。


これって・・・やばくね?


・・・何か、ずっと聞きたかった言葉を聞いた気がする。
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