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紅蓮の虹・69 

「ねえ。」


「ん?」


「結局、みんな死んでしまったんだよね・・・」


「そうだよ、わたしの虹。

四郎も天幕にいたものも、大工も漁師もあの時原城にいたキリシタンは、みんなね。」


「百合も?」


あの、目の見えなかった少女はどうなったんだろう。

「コウゲイが、奇跡を起こした子。」


「キリシタンはみんな、残らず死んでしまった。

一人残らず。」


「最後には女、子供を助けてくれるなら、男は全て殺されてもかまいませんと、知っているかな、将軍家の老中に文を送ったけど駄目だったんだよ。」


「最後の審判の日は来なかったの・・・?」


「どんなに待ってもね。」


「俺は、逃げちゃいけない気がするんだ、コウゲイ。」


俺は、ついに決心した。


怖いけど。


砲弾が落ちるたび、怪我人が増えてゆく。


そして、辺りには火薬と血の匂いが立ち込めるのだ。


そこに戻るのは、身体が震えるほど怖い。


「コウゲイの知っている、四郎の最後はどうだったの?」


「わたしの虹。知る勇気があるかい?」


「・・・コウゲイが望むなら。」


「おいで・・・」


赤龍は、天空を翔けた。


・・・夜空は炎で、真っ赤な夕暮れのようになっていた。


紅蓮の炎。



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