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紅蓮の虹・66 

遊びほうけているようで、ちゃんとそいつは将来のことを考えていた。


その日、髪の毛を染めてもいないのに、染めるやつは不良だと決め付けられ俺は先公に手を上げた。


生まれつきだと何度説明しても、施設長に一筆書いてもらっても、そいつは俺に髪の毛を染めて来いと食い下がった。


紅く染めるのは禁止で、何で元々赤毛のやつを黒く染めなきゃならないんだ。


おかしいだろ?


それまでどんな理不尽な目にあっても、じっと耐えてきたのに、とうとう俺が切れたのには理由があった。


最後に、そいつは俺に向かってこういった。


「そんなだから、親に捨てられたんだ。」


瞬間、自分の中で血が逆流したと俺は思った。


髪が逆立ち、目が赤くなった。


心の中で湯気が立つように怒りが渦巻いて、どうしようもなかった。


必死に俺を止めた、寺の息子がそのときの俺に呆れた顔でつぶやいた。


「おまえ、地獄の紅蓮だな。」


「なんだよ、それ。」


「紅蓮地獄って言うのがあるんだよ。」


「ほら、死んだときにいいやつは天国へ行くし、悪いやつは地獄へいくっていうだろ?」


そいつが言うには、何でも地獄には色々種類があるらしかった。


・・・・だったら、こいつもいたいけな若者を虐待した罪で地獄に行くのかよ?


「そこに落ちた者は、寒さのために皮膚が破れて、まるで紅色の蓮の花みたいになるんだってさ。」


俺の足元にいる先公のほうが、よほど蓮の花の赤いやつみたいになってた。


メガネはひしゃげ、鼻血は止まらない。


・・・やりすぎた・・・?


「た・・・退学だ!」


「うるせぇっ!」


よろよろと後ずさりながら、校長室に逃げ込もうとするそいつに、俺はもう一度 頭突きをかました。


ばっかじゃね。


少し落ち着いて、俺は今度は自分に腹を立てていた。

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