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紅蓮の虹・63 

「幾度かの交渉の末、幕府方は今以上の反乱を抑えるために懐柔作戦に出ました。」


「そこには、住んでいる場所で無理やりキリシタンにさせられた者の赦免を認めると書いてありました。」


赦免というのは、罪に問わないということだ。


「これまでの圧制で、子供も女も容赦なく殺されているのを四郎さまはご覧になっていたので、その言葉を信じませんでした。」


うん。


「キリシタンは虫一匹まで殺すべしという矢文も残っております。」


「わたくしは、そういうものを全て保管しておくように、皆に言い含めておりました。」



段々、爺さんが山田右衛門作の顔に見えてきた・・・


「四郎さまは、『いま籠城している者たちは来世まで友になる』とおっしゃいました。」


それは、俺がコウゲイと一緒に聞いた言葉だった。


過去の爺さんに向かって、涙ながらに言っていた。


「たぶん、その背景には当時のキリシタンや一揆に参加した者たちへの過酷な弾圧が待ち受けていると知っていたのだと思います。


この上、幕府軍に投降しても惨殺されるだけだと見抜いたのではないかと。」


「・・・四郎様は、「四郎法度書」を出して一揆から離脱するものを戒めたとされていますが、実際は死した後は共にパライソへ・・・天国へと・・・。」


・・・泣くなよ~・・・爺さん。


もらい泣きしちゃうだろ、俺。


そんなに泣かれたら、四郎の自覚はないし、どうしていいのかわからなくなる・・・
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