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紅蓮の虹・62 

「これは、写しなのですが四郎さまがお書きになったものです。」


「何?」


「『四郎法度』と、呼ばれております。」


虹さまが、色々とお調べのご様子だったのでと、爺さんはいった。


黄ばんだ和紙が、丁寧に巻いてあった。


「だって、誰も教えてくれないんだもの。」


「虹さまを、お案じしてのことでございます。」


わかってるけどさ・・・


こういうのって、鯛の生き・・・違う、蛇の生殺しって言うんじゃないの?


あんな醜態見せた後じゃ、いい訳できないけど・・・


コウゲイが伝えたいと思っていることを、俺だって本当は知りたい。


・・・少し、怖いけど。


今の俺と同じ年の四郎が書いた、「四郎法度」。


「益田ふらん志すこ」と、筆でサインが書いてある。


「これ・・・いつ書いたの?」


問わずにはいられなかった。


最後に俺が見たビジョンの四郎は、痛々しく、頭に血止めの鉢巻を巻いていた。


周囲には包帯と悟られぬように、油紙を忍ばせて・・・。


「一度天幕に、砲弾が落ちて四郎さまが、手傷を負ったことがございました。」


「その後に、天の使いと信じた四郎さまが怪我をしたと動揺が広がり、軍の乱れ始めた統制を憂えた四郎さまが文章を考えました。」


俺には難しくて読めなかったので、爺さんが優しい言葉に直してくれた。


殆ど、かいつまんで。



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