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紅蓮の虹・57 

「あっ!」


ボールがそれて、河にはまった。


「大丈夫。」


「取ってきてやるから、待ってな。」


・・・と言うより早く、ボールに手を伸ばした子供が落ちそうになった。


「バカ!」


「何やってんだ。」


子供を水面すれすれで岸に投げたけど、俺は落ちた。
派手な水しぶき。


ボールは流れていってしまった。


ボールをけった子が、責任を感じてしおれてた。


・・・きっと、みんなの大切なボールだったんだよな。


いいよ。


俺のボールを持ってきてやるから、喧嘩すんなよ。


又、明日な。


「虹さま・・・!」


全身ぬれねずみの俺に、爺さんが目をむいた。


「すぐに、お着替えを。」


手間をかけさせてごめんね、爺さん。


「子供と一緒にサッカーやってたら、河に落ちちゃって・・・」


「でもさ、久しぶりですっごく楽しかった。」


「コウゲイは?」


湯気の向こうで、もうお帰りですよと爺さんが答えた。



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