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ずっと 君を待っていた・6 

一人でぼけたり突っ込んだりしても、動転しているのか思考回路がまともに働かない。

「だ~~っ!わけわかんねぇ。」

ぼくが、仮に巫女さんになるなら、このパンツの中にある可愛らしいものはどうすればいいですか?お母さん。

ぼくは生まれたときから男の子のはずですけど?

さっき、トイレに行ったときも使いましたけど?

ぼくの分身は、困ってしまってサバンナで不安げに縮こまっていた。

「まあ、まあ、クシちゃん。落ち着きなって。」

頭を抱えてしまったぼくを、顔を出した青ちゃんが、ぽんぽんとあやすように軽く叩いた。

「とにかく行けば、分かるんじゃないのか?本家の海鎚家って所にさ。」
「大人には、大人の事情が有って、きっと話せない事がいっぱいあるんだよ。ね?」

急に大人びた口調で、青ちゃんがそう言った。

「俺も一緒に行ってやるから、大丈夫だって。」
「うん。ありがと・・・」

欲しい答えもくれないで、散々不安になるようなことばかり言うような親より、今はそこにいる従兄弟の青ちゃんの方が頼れるいいやつだった。

「何で、きちんと分かるように言ってくれないのかな。」
「そりゃ、あれだよ・・・」

言ったって、クシちゃんに理解できないからに決まってんじゃん・・・クシちゃん、顔だけは良いけど、脳みそは笑えないほどマジ残念だから。
国語の成績、しょっちゅう赤点じゃん・・・

青ちゃんがごくりと飲み込んだ言葉は、ぼくには聞こえなかった。
なんだか、上手く丸め込まれたような気がするよ、青ちゃん。
青ちゃんの前で、何だか心細くなってぼくは、その場に突っ伏した。

「本家への人身御供って、なんだよ・・・意味、わかんねーし。」
「あ。もしかすると城とか家とか作るときに、埋められちゃうのかな、ぼく。」
「ばぁか。そりゃ、人柱だろ。神さまへの捧げものって言う意味では、同じだろうけどね。」
「それに、個人で城建てるやつって、今の時代にはあんまりいないと思うぜ。」

両親に文句を言おうにも、悲しいことに驚くほどぼくの語彙は貧困で、悔し涙以外まともに言葉が出てこなかった。
なんかさ、手っ取り早くいえば、本家にやられてしまうってことなんだろ?

稲田の家から、人身御供になって?
それって、いらない子になるってことだよね?
何されるのか知らないけど、人身売買・・・?

「うわ~ん、青ちゃ~ん。」
「ぼく、売り飛ばされちゃうの・・・・?でもって、腎臓とか取られちゃうのかな。」
「お別れなんだね・・・青ちゃん。」
「クシちゃん、何それ。・・・いくら何でも想像力たくましすぎ。」

青ちゃんは呆れ果てていたが、ぼくはその時、本当に悲しかったのだ。

すべてと決別しなくてはいけない、そんな気がして・・・





欲しい答えをもらえなくて、クシちゃんはじたばたしています。 

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