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【狂おしい秋・学園の狂騒・10】 

BL観潮楼秋企画【狂おしい秋・学園の狂騒・10】

秋企画pioさま全身

隼が野生の巨象に襲われそうになっている、少し前。

休憩時間が終わり捌ききれない客を待たせて、周二は隼を連れにきた。
食堂のテラスの風の通る、長いすの上、眠り姫が王子の訪れを待って・・・いない。

「隼っ!」

周二の顔色が変わった。

その後。

誰かが玄関先に取材に来ていたテレビクルーのモニターを見て騒いだ。

「沢木っ?なんでこんなところで、写ってるのーー?!」

同級生が騒いでいたが、なんでそんなところに隼がいるのか、誰にも分からなかった。
本人にすらわからなかった。
眠り姫の長い金髪の隼が、頭に小さな宝冠を載せて街角を彷徨っているのが写っていた。

「あいつ。何やってんだ。」

周辺のビルと、道路から見当をつけるとすぐに木本を呼んで車を出してもらった。
あの恰好で、キャバクラの立ち並ぶ通りを歩いた日には、厄介な事になりそうだ。
全世界に治安を誇る日本は、案外裏に入れば抜け道はいくらでもあったりする。
家業のせいで、少しは裏のことも分かっている周二だった。

「お嬢ちゃん、今日何のイベント?」

まだ少し早い時間、繁華街を行く人が声をかける。
一々、「文化祭です。」と馬鹿丁寧に応えながら、隼は路地裏に迷い込んでいた。
歩きなれないヒールにとうとうマメが潰れて、泣きそうになって座り込んでしまった。

「周二く~ん、来ない~・・・・え・・っん・・・」

知らない誰かに押さえこまれて、野生のゾウに襲われる寸前まで行ったが、作業員が仕事で呼ばれているうちに運よく逃げおおせた。
何とか逃げ出せたのと、発作が出なかったのに一安心していた。

どこかの店の裏口だったのか、あ、面接した子ね。そのままでいいから、こっち来てといわれ、どうしていいかわからなくなった。

「違うんです。このかっこはお仕事じゃなくて、文化祭の・・・」
「はじめは、みんな不安なんだよね。大丈夫、ほら・・・ここの店は、初めての子には優しいから手取り足取り教えてあげる。」
「そのまま、座っていればいいからね。君ならすぐに売れっ子に・・・?え?まさか・・・ちょっと、君。おいで。」

すぽんとドレスをたくし上げられ、うわ~まじ?とため息をつかれた。
すぐ傍に、熱い息を吐く顔が迫っていた。
「可愛いから、ま、いいか。」
そっと長い髪に長い指が入り、かきあげられるとぶるっと背筋が震えた。
丸い肩を引き寄せられて、顎をついと持ち上げられた。

「やっ。周二・・・く、ん。」

小さな声でも助けを呼べば、いつも来てくれる。
確かな確信を持って、隼は硬く目を瞑った。
早く、来て。

来て。

「周二って彼氏の名前なの?可愛いから、もしかしてそっち系かなと思ったけど、やっぱりか。」
「そっち系ってなに?」
「ちょっとくらいなら、つまんでも良いよね。いただきまーす。」

滑らかな薄い胸にそっと指を伸ばして、若い男が遠慮なく隼の突起をなで上げた。

「あ・・・っ。つまみ食いは、だ、駄目です~。」
「あ・・・れ?これ、見たことある・・・」

ぺったんこの胸に、見目良い青年に見覚えのある銀のペンダントが揺れていた。

余りに心細くてとうとう隼は困り果ててしまった。
置かれている状況が分からない。
コンタクトも眼鏡もない今、隼の視界はないに等しかった。
知らぬ間に、のどの奥から嗚咽がこみ上げた。

「周二・・・く・・・ぅんっ・・・えっ・・・えっ・・・ん。」

周二くんと名前だけを呼んで泣く人形のような男の子に、相手はやがて「ああ~!」と、一つ頷くと、携帯を取り出し連絡したようだ。

「迷子のお姫さま、一名捕獲してます。泣いてるけど、どうする?」





どうやら、かっこいいお兄さんは(隼ちゃんには見えていないみたいです。)周二くんの知り合いみたいです。
放浪のお姫さまは、王子さまの胸に飛び込むことができるのでしょうか。
長すぎ~、引っ張りすぎ~・・・ね~。     此花
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観潮楼さま秋企画
こちらで使用させていただいている美麗挿絵(イラスト)は、BL観潮楼さま・秋企画参加のみのフリー絵です、それ以外の持ち出しは厳禁となっております。著作権は各絵師様に所属します。
pioさま鼻血ぷぷっの美麗イラストお借りいたしました。ありがとうございました。きゅんきゅんの綺麗お子さまです~。おひめさまモードの隼ちゃん行方不明な上、大変なことになってます。貞操はだいじょうぶ?

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2 Comments

此花咲耶  

NoTitle

pioさま

もう、書いてて楽しい。書いてて嬉しい隼ちゃんです。
pioさまの綺麗なお子さまだと思うと、きゅんきゅんです。なかなか年相応にはなれないけど、なりたいと思ってとっても前向きな所が書いてても好きです。
可愛いって言ってくださって、本当に嬉しいです。pioさまの美麗絵ありきで生まれたお話、そして隼ちゃんです。
お持ち帰りして、ぎゅうぎゅう、べろんべろん、ぐりんぐりん、ぺしぺししたい放題、どうそよろしくお願いします。

「でも・・・優しくしてね、母上さま。」by-隼

そういえば、ご存知かもなのですが「ロンドン塔の王子達」と言う此花の大好きな絵があるのでご覧になってみてください。西洋に惹かれちゃって~、(^▽^)ノわ~いっ☆西洋、兄弟も素敵です~
http://claranomor.exblog.jp/7551685/

コメントありがとうございました。でも、これで結構、縛りは得意な隼ちゃんです。pioさまに、隼ちゃんの緊縛返しっ!きゃあ。

2010/10/09 (Sat) 00:53 | REPLY |   

pio  

NoTitle

隼君捕獲されちゃった。よかったね~。
幼くて危なっかしくて近眼で、密かに漢!な隼君……あ~ん!もうぎゅぎゅぎゅう~!と抱きしめたいくらい、べろんべろんと舐め回してしまいたいくらいキュート~♬
お姫様姿でその辺うろうろしてたら、絶対お持ち帰りでしょおー!(◎o◎)☆カワイイ……私が連れ帰って監禁したい……ついでに白タイツも履かせて……あっ西洋引っ張ってるよ。

2010/10/08 (Fri) 22:38 | REPLY |   

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