紅蓮の虹・46
砲弾が、次々に着弾して炸裂した。
四郎の周囲の者が、とっさにかばったが四郎の袖に貫通し軽い手傷を負った。
「四郎様が、怪我をした・・・」
「何故だ。絶対傷つかないのではなかったのか。」
「じょあん(天使)に守られているのではなかったのか。」
小さな不安が、城に立てこもった人々の間に広がってゆく。
誰も四郎を、人だと思っていない・・・
決して手を出してはいけないとわかっていた。
硬く握りしめた拳が、震えた。
傷ついた四郎は、血止めの布を額に当てて、気丈にふるまっていた。
コウゲイはこの場に何度佇んだのだろう・・・
散り行く命を黙って見ているのは、気分が悪かった。
コウゲイは沈黙していたが、俺の内側は荒れまくっていた。
ここまで追い詰めた輩を、四郎やそこにいる人たちの代わりに焼き尽くしてやりたかった。
高台の裸城に、寄せてくる幕府軍は稲に群がるうんかのようだった。
今の俺にはそれが出来た。
・・・だがコウゲイが許さなかった・・・
四郎の周囲の者が、とっさにかばったが四郎の袖に貫通し軽い手傷を負った。
「四郎様が、怪我をした・・・」
「何故だ。絶対傷つかないのではなかったのか。」
「じょあん(天使)に守られているのではなかったのか。」
小さな不安が、城に立てこもった人々の間に広がってゆく。
誰も四郎を、人だと思っていない・・・
決して手を出してはいけないとわかっていた。
硬く握りしめた拳が、震えた。
傷ついた四郎は、血止めの布を額に当てて、気丈にふるまっていた。
コウゲイはこの場に何度佇んだのだろう・・・
散り行く命を黙って見ているのは、気分が悪かった。
コウゲイは沈黙していたが、俺の内側は荒れまくっていた。
ここまで追い詰めた輩を、四郎やそこにいる人たちの代わりに焼き尽くしてやりたかった。
高台の裸城に、寄せてくる幕府軍は稲に群がるうんかのようだった。
今の俺にはそれが出来た。
・・・だがコウゲイが許さなかった・・・
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