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小説・凍える月(オンナノコニナリタイ)・75 

「いやいや、あのですね。ですからご覧のとおりこんな風でも、松原はれっきとした男ですから。」

「あなた。何を、おっしゃっているんですか?」

養護の先生は、厳しい視線を向けた。

「違いますでしょ?あなたね、小学校からの三校申し送りのとき、参加していなかったんじゃありません?」

「はあ・・・それはですね、こちらも色々ありまして・・・。」

「松原君に関しては、十分配慮をするようにと、小学校の校長先生からも書面で届いていましたし、わたしもお願いしてあったはずですけど?」

「あっ・・・。」

ゴリ男は、見事に失念していたらしかった。

「あ~・・・え~と、松原すまん、いや、申し訳ない。俺が悪かった。」

ゴリ男は潔く頭を下げ、ぼくは返事の変わりにくしゅと洟をすすった。

「四之宮君、いつもありがとね。君がいるから松原さんは安心ね。」

いえ、保健委員ですからと、四之宮君はいつものようにそっけなかった。
ぼくは小学校の頃から数えると、何度四之宮君に抱えられたか分からないくらいお世話になってる。

「四之宮くん、ありがと・・・」

ベッドの上のタオルケットから目だけ出して、ぼくは感謝の言葉をかけた。
保健室の先生がゴリ男と一緒に職員室に行き、保健室には二人きりになった。

「松原、気分は?」

「ん・・・大丈夫。」

「あの、あの。・・・何か、いつも迷惑ばかりかけてごめんね。」

無口な四之宮君が、ほんの少し顔を赤くして笑った。

「俺んちね、親父が再婚したから、年の離れた弟がいるんだ。」

「弟?へぇ、そうなんだ。」

「松原見てると、何かほおって置けないと言うか、弟みたいって言うか・・・」

そんな話は、初耳だった。
・・・というか、四之宮君が家の事を話すなんて、初めてかもしれない。
四之宮君は、ぼくの頬にそっと手をやると、そのまま髪を撫で上げた。
何となく静かな甘い雰囲気になっている気がする。

「四之宮君、ぼく、弟みたいな感じなの・・・?」

ベッドの縁に四之宮君がどさっと腰をかけて、スプリングの軋んだ音が保健室に響いた。
そのままぼくの顔の上に、四之宮君の顔がかぶさって来た。

「あ。」

視線が外されなかったので、ぼくたちは見つめあったままだった。
四之宮君の顔が降りてくる。

ちゅ・・・と、乾いた唇に触れた唇に驚いて、見開かれた目に四之宮君がちょっと怒ったような顔をした。

「・・・弟のわけ、ないだろ。」

「目ぇくらい、閉じろよバカ。」





キス・・・?
キスした?
 


あわわわ・・・ファーストキスではないですけど、みぃくんはどきどきです。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。拍手もポチもありがとうございます。励みになっています。
もう少しです。下書き保存のまま、更新忘れそうになって慌てました。    此花←粗忽者
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2 Comments

此花咲耶  

NoTitle

けいったんさま

みぃくんはね・・・あ。いけない、いけない。
覗きも耐えて、見守ってくださるけいったんさまに寄り添うべく、ネタバレを自粛しようと、此花も決意しましたっ!

四之宮君はね・・・だ~か~ら~!(--;)つい・・・
昨夜、魔法の国への扉も、閉じました。←おそい~(ノ゚ο゚)ノ

・・・と言うか、こちらにアップしたものは、他の作品も含めて加筆されています。
少しはこちらの方がマシだと思うので、ごめんなさい。
此花から、おわびの(ー3ー)チュウ~~☆ すみません、いらないですか?
コメントありがとうございました。昨夜から、焦ってます。

2010/09/22 (Wed) 16:31 | REPLY |   

けいったん  

四之宮くんって~♪

ナイト・四之宮、みぃ姫に (*3*)チュウ~~☆

オォーー それから それから どうなるの~!?

(*・_|ю...ポッ...覗き見は 良くないけど...ねぇ...

2010/09/22 (Wed) 12:24 | REPLY |   

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