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紅蓮の虹・39 

「そうですか、そんなことが・・・」


「ともかく、わたしの虹と百合さんが無事で良かった。」


コウゲイの落とした視線は、俺が借りてきた図書館の本の背表紙をなぞっていた。


うっかりしてた・・・


百合の事で、こっちの方まで気が回らなかった、バカな俺。


・・・心臓に悪いです。


「わかりました。ではその件に関しては、こちらで手を打っておきましょう。」


「あの・・・」


コウゲイは、このうえなく優しい微笑を百合にむけた。


絶対、百合はコウゲイを誤解しているのだろうと思う。


俺にも百合の呑み込んだ言葉が、理解できた。


「大丈夫。


お父さんの借金は、お母さんへの見舞金の半分で片がつく金額です。


後は、仕事を探して差し上げます。


元々のご職業は、整備工でしたね。」


コウゲイは爺さんに合図した。


「と、言うことだ。」


「かしこまりました。」
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