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小説・凍える月(オンナノコニナリタイ)・47 

ぼくには従兄弟、三人のお兄ちゃん達がいる。
翔兄ちゃんは、今年中学校二年生で、憧れのジュニアユースチームに入った。
朱里兄ちゃんは、高校生で既に、プロも注目する選手だそうだ。
パパの家系はみんな運動神経が良いんだって。

洸兄ちゃんは高校三年生だけど、最近は殆ど顔を合わせることがない。
進学校の特進クラスに入っている洸兄ちゃんは、ものすごく頭が良くて、いい大学に入るための勉強をしているみたい。
洸兄ちゃんは、才能の限界を感じたので、サッカーは中学で止めてお医者様になるって言ってた。
運動も勉強も出来るイケメンって、嫌味にしか思えんよな~と、朱里兄ちゃんがしょっちゅう言ってる。

そんなことないよ。
洸兄ちゃんは確かに、すごく格好いいし頭も良いけど、それだけじゃなかった。
いつも、なんにでも一生けんめい努力する所、ぼくは、知っている。
浪人せずに現役合格を目指しているから、今はわき目も振らず、ひたすら勉強すると言ってた。
学校の早朝補習で家を6時には出るし、夜は衛星塾で放課後から10半時まで猛勉強で、帰宅時間にはぼくはもう夢の中だ。
だから、大学受験が終わるまで洸兄ちゃんとは寂しくてもゆっくり話もできないと思っていたのに、その日は久し振りにぼくの家にやって来た。

いつも真面目な洸兄ちゃんが、

「みぃ。一つ、お願いがあるんだけど・・・。」

そう言って、ぼくに頭を下げた。

「え?どうしたの?洸兄ちゃん。」

いつもと様子が違ってた。

「なぁに?どうしたの?」

「うん・・・。売り言葉に買い言葉で、後に引けなくなっちまった。」

一緒に来た朱里兄ちゃんが、ばぁかといって、腕を組んでくすくす笑っている。

「くそ真面目な兄貴が、見栄を張っちゃったんだってさ。」

「みぃ、頼むっ!」

すごい勢いで、洸兄ちゃんが頭を下げた。

海広くん。バカな洸兄ちゃんを助けてくださいっ!」

半分ふざけて、朱里兄ちゃんまで並んで頭を下げた。

「これなんだけど・・・」

洸兄ちゃんが開けた紙袋の中身を見て、ぼくの心臓がばくんって鳴った。

「あ。」

側にいた朱里兄ちゃんには、ぼくの鼓動が聞こえたんじゃないかと思う。

「東高のやつに、彼女がいるって言ってしまったんだ。」

「松原は、勉強ばっかで生活に余裕がないんだろって言われたからさ、つい彼女くらいいるさって。」

ぼくは、息の出来ない金魚になって、口をぱくぱくしてた。

「これ、女の子の・・・?」

「彼女に会わせてやるって、大嘘付いちまったから、ごめん、みぃ。着て!」

「え~~っ!?」

思わず、素っ頓狂な声で叫んでしまった。







みぃくん、なんと女装です。「おとこの娘」になっちゃう・・・?
挿絵描きたかったのだけど、時間がありません。いつか・・・と思っています。今日もお越しいただきありがとうございます。拍手もポチもありがとうございます。がんばります。  此花
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2 Comments

此花咲耶  

NoTitle

kikyouさま

きゃあ。上さま、いらせられませ。゚゚・(≧▽≦)
お読みいただきありがとうございます。実は「凍月」は既に出来上がっているのですが「天使が啼いた夜」の過去の火事の部分のように火事の場面がこれから出てきますので、あわあわしました。
全て拝読してから感想をかくつもりでした。現在20話です。

人が羨む容姿や財産は持っていても、万人が普通に持っている家庭の幸せという物を持っていなかった・・・で、思わずほろり・・・どこか欠けている部分を持った人はそれだけで愛おしいです。欠けた部分を埋めようとする人も愛おしいです。
愛がいっぱいです。
みぃくんも結構苦労続きですがこれからある意味ハッピーエンドに向かいます。
コメントありがとうございましたっ!うれしかったです。

2010/08/25 (Wed) 16:47 | REPLY |   

kikyou  

NoTitle

良かったねぇ、みぃくん

着たかったんだよね、オンナノコの服

あぁ・・・紫苑のバナー使って下さったのですね。
ありがとうございます。
色々最近は鬼畜ムードになってますが
「天使が啼いた夜」は私の基本ですので嬉しいです^^

2010/08/25 (Wed) 15:29 | EDIT | REPLY |   

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