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小説・凍える月(オンナノコニナリタイ)・46 

「育ち盛りの子どものための栄養」

「子どもの喜ぶメニュー100」

「男の料理・シェフの定番」

「おいしいお弁当」

電子レンジの横に立てかけられた料理の本は、かなり使い込まれてパパの苦労を物語っていた。

「パパ、おいしい。」

そう言うと、必ずお替りしろと言うので余り言えないけど、本当にパパのご飯は元気が出る気がするんだ。
ちびのころは、何故だか食べ物に思い出がないけど、ぼくね、パパの膝の上でスプーンを握りしめていた幸福な記憶はあるんだよ。
本当のパパじゃないけど、ぼくは、誰よりもパパが好き。
パパの一番大好きな愁都くんには叶わないけど、ぼくはずっとパパの一番になりたかった。

携帯を内緒で開けば、今はもういない、一等賞の眩しい大切な笑顔がそこにある。
死んだ者は、一番綺麗な思い出だけを遺すんだって、誰かが言っていた。
パパの最愛の奥さんと大切な子どもは、おばあちゃんを守って炎に巻かれた。

何もかも失ったパパの、押しつぶされそうな喪失感を埋めるために、貰われてきた子供。
・・・それが、ぼく。

ぼくが死んだら、パパはぼくの事も大切に、携帯の待ち受けにしてくれるかなぁ。

叔父さんと飲んでいるときに、背中を向けていたらぼくが眠っていると思って、酔った勢いでパパが話していた。

「俺は、正しかったんだろうか。」

「みぃは、これで幸せなんだろうか。」

「俺は、自分が楽になりたいだけで、みぃを抱き上げたのかもしれない。」

叔父さんが、運命なんてそんなもんだろって、ビールを注いだ。

「おまえは、何が起きるかわからないって目に、散々合ったじゃないか。」

「いいんだよ、これで。」

イインダヨ、コレデ・・・






本日二話分アップしました。間違いじゃないので、大丈夫です。(*^ー^)ノ←しょっちゅう、やらかしますけど。
いつもお読みいただきありがとうございます。拍手もありがとうございます。いつか拍手絵とか描いてお礼できればと思っていますが、今はひたすら加筆修正して更新してます。  睡眠削るしかないなぁ・・・此花
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