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BL観潮楼様・夏の企画「お仕置きの夜と朝の間に・・・2」 

BL観潮楼様・夏の企画「夏―心を焦がす恋―」



木本は思いの他、取り乱したりしない少年を見直していた。

「で、お前、名前は何て呼ばれたい?人前に出るならションベン小僧にも、呼びやすいあだ名付けてやらねぇとな。」
「Bitchてのはどうだ?どうせ、犬みたいに突っ込まれるんだし、似合いだろう。」

今の状況が信じられないといった風の蒼白の顔に、悲しい決意を浮かべ、涙ながらに彼は語った。

「・・・雌犬なんて嫌です。あと、ぼくの名はションベン小僧じゃなくて、樋渡蒼太(ひわたりそうた)です。」

木本の表情がふいに柔らかくなった。

「蒼太・・・ってのか。俺は、木本というんだ。」
「木本さん・・・?」
「蒼太・・・か。いい名前じゃないか。」

木本は思わず、蒼太に腕を回して浅く口を貪った。
先日失った恋人と同じ名前だと聞いて、ほんの少し見る目が優しくなったかもしれない。
囚われのこちらの蒼太は、思ったよりも柔らかな物腰の木本に、必死で救いを求めていた。

「き、木本さん、お願いです。家に帰してください。あの・・・ぼくは、普通の高校生です。」
「あいにくだがな、普通の子は何も知らないガキを攫って、手篭めにしようと思いついたりはしないのよ。」
「ぼくは沢木のように、華奢でも綺麗でもないし、・・・おっしゃるような、お金をもらえる見世物にはならないと思います。」

くすくす・・と、木本がわざと冷酷に見えるように、片方の口角だけを上げた。

「これが意外に、普通ってのがいいらしいんだよな。おまえは、結構可愛い顔をしているし・・・」
「世の中、綺麗なものを汚してやりたいって歪んだやつは、ごまんと居るからな。」

「う~ん、どっちかと言うと、舌先三寸で乗り切ろうとするところ、俺に似てるな、お前。」
「諦めて覚悟決めるんだな。しっかりと「愛」を教えてやれって言われたんでね。」

唇をかんで、俯いてしまった生徒会長、樋渡蒼太(ひわたりそうた)は悲壮な顔をし全身をかたかたと震わせていた。
落城した城から落ち延びる途中で囚われた、自尊心の高い城主か若様だな・・・と、いじめっこ木本の頬が緩む。
木本は陵辱されても泣くまいと歯を食いしばって耐える姿に弱い。
優しくしてやり、相手が心を許したその土壇場で腹黒く裏切って、悲嘆の余り絶望の涙がほろほろと溢れるのが大好きという、根っからの困ったサディストさんだった。

「木本さん、あの、お、お金で何とかなりませんか?」
「ならないねぇ。仕置きは迅速に、的確に行うのがセーラームーン(沢木)の決め事だからな。」

そんな会話をしながら、いつしか一糸纏わず剥かれた生徒会長は、木本の腕の中で、とうとうしくしくと鼻をすすって泣き始めた。
木本は、この光景を楽しんでいる風だ。

「初めてなんです。本当のこと言うと、沢木をちょっと困らせてやろうと思っただけで。最近、いつも沢木は同級生の方ばかり見てたから、一人がつまらなくて・・・」
「やきもちやいちゃったのか、お前。」
「はい・・・ひぃっ・・・く・・・。沢木は、入学したときから頭がいいだけで付き合い下手のぼくを慕ってくれて、だから、いつかは上手くいくと思っていたのにって・・・許し・・・てくださ・・・。」
「謝る相手が、違うだろう?」
「うっ、うっ・・・木本さ・・・ん・・・」

木本は、実は何の経験もないらしい樋渡蒼太の髪を掴むと、顎を上げさせた。

「誰も、お前を虐めたりしないよ。うんと大切に可愛がってやるから、蒼太・・・初花、貰うぞ。」

ふる・・・と、蒼太の唇が震える。
さすがに利口な生徒会長、これから自分が散らす初花の意味は知っていた。
男同士、身を繋ぐことの不自然さに恐怖していた。

「こ、わ・・・いです。木本さん・・・や、優しくし、て、んっっ・・・」
「駄目だ、俺・・・本気でやっちまいそう・・・蒼太。」

木本はションベン小僧とバカにしていた年代の少年に、惹かれそうになっている。

タラシで有名な木本が、失った恋人と同じ名前に惹かれるのは無理もなかった。



お仕置きの夜と朝の間に・3へ続きます。


みんな、初恋の人には弱いのよね~。意外にタイプが似ている木本さんと生徒会長は上手く行くかも。
テクなしですけど、ぎりぎりまでがんばりますっ!(`・ω・´)きりっ!此花(うそくせぇ・・・・)
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4 Comments

此花咲耶  

Re: わあ。

pioさま


きゃあ、うれしいです。根っからのサディストは、実はものすごいマゾヒストと表裏一体と言う話を聞いたことがあります。この辺りを上手く表現できたらいいな~と思って書きはじめたら、テクがないので逃げてしまいました。あはは~・・・
そっか~、母上さまは、かなりの鬼畜もおっけ~らしいので、秋企画は愛ある鬼畜をテーマにがんばります。
コメントありがとうございました。次話もよろしくお願いします。ぺこり。

2010/08/31 (Tue) 08:49 | REPLY |   

pio  

わあ。

根っからの困ったサディストさん……。ドキドキですー!
あ、嬉しかったものですから…つい
いちいちうるさくてごめんなさい。
隼くんより先に初花を散らされちゃうのですねー
生徒会長!しかも鬼畜(*・▽・*)ナイスv

2010/08/30 (Mon) 07:57 | REPLY |   

此花咲耶  

NoTitle

るかさま

きゃあ。もう白哉さんのお話は、涙と鼻水ですっかり汚い此花でした。皆様の作品を拝見していますと、骨子がしっかりした物語性のあるものばかりで、日々圧倒されています。・・・と、こんな感想しか書けない所が駄目ですね~。
わ~、お忙しそうだったので、こそ~りここで番外編書いていたのですが、載せて下さったんですね。ありがとうございますっ!
秋企画からはなるべく、るかさまのご負担が少なくなる方向で今後も、よろしくお願いします。いつか、此花も魂揺さぶられれような作品を書きたいです。゚゚・(≧-≦)・゚゚・。う~・・・ 道は遠い。
お知らせとコメントありがとうございました。うれしかったですっ!

2010/08/23 (Mon) 23:39 | REPLY |   

るか  

NoTitle

やばい!生徒会長、可愛い~~~~!!
悪役の生徒会長も好きでしたが、優しくして、って
泣いちゃう彼もイイ!!
狂った夏番外編で、一覧に追加しちゃいましたよ~ん。

2010/08/23 (Mon) 22:48 | REPLY |   

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