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小説・凍える月(オンナノコニナリタイ)・20 

18禁です、苦手な方ご注意下さい。

「今ならまだ、ちゃんと全部忘れられるよなぁ、みぃ・・・」

その言葉は、まるで自分に言っているように聞こえた。
そういいながら、本当は忘れないでいて欲しいとでも言うような、哀切の気配が漂っていた。
互いをむさぼるような、深いキスを交わしていた二人が思い出されて、つきんと胸の奥が痛んだ。

「父親になりそこねたのは、こっちの方っすよ。」

「まじで可愛いからなぁ、こいつ。」

「手放すタイミングを、逸しちまったんすよねぇ、俺は・・・」

金髪は、自嘲気味に笑って、外で待つ新しい俳優を招き入れ、次の作品を撮り始めた。
撮影方法は色々有るのだろうが、金髪は(成瀬と言った)一度に何本もまとめて撮るのだそうだ。
そして、一気に徹夜の編集作業に入るらしい。

今度のは、線の細い少年(未成年に見える)が、カメラに向かってゆっくりと切なく寝台で足を投げ出して自分の若い茎を、ぎこちなくこすっていた。
長い長い自慰シーンが続き、さすがに男として周囲にこんなに人がいちゃ勃たんだろうと同情した。
筋肉質の男が、背後から忍び寄るとその手の行為に参加し、少年の上ずった吐息が部屋中に響いた。

「あ・・あん・・・っ、何で?」

「・・・あっ、あっ、せんぱい・・・さわらないで・・」

「ほら。もう、こんなになってる。いけない子だな・・・。」

「あ・・・そんな事、言っちゃいや。」

「や、放して。」

余りにぎこちない動きと、少女のような陳腐な台詞に、思わず噴出しそうになるのを堪えた。
男同士なのだが、台詞はほとんど男女のそれだ。
触らないでといいながら、腰を突き出し、ゆっくり振って半起ちの肉が愛撫をねだっていた。
さっきの里奈ちゃんの方がはるかに自然に見えるのは、きっと里奈ちゃんが場数を踏んでいるということなのだろう。
何でも、昔はこういうものは、購入者も限られていて、筋肉質と肥満の絡みが多かったそうなんだが、今は時代が変わってね、と金髪がファインダー越しに教えてくれた。

「こんな風な綺麗な男同士の絡みを、今や高校生の女の子や普通の主婦が買うんすよ、凄いでしょ。」

「こんなの、みて楽しいのか・・・?」

「女はいくつになっても、綺麗なものが好きですからねぇ・・・」

すごい時代になったものだ。
今や、男同士の恋愛関連の雑誌が山ほど出てて、一見少女マンガの横にこういうDVDが付録で付いてたりするのだそうだ。

「知らなかったな・・・」

「今の流行りはビジュアルで、ゲイも、人形も顔が命ってことでね。」

少女が買う雑誌の中で、二次元の世界の綺麗な者同士が、視線だけをこちらに向けて、夢見るように密やかに喘ぐ。
拙い演技で、ありえない設定の少年が一つになって、嬌声をあげた。
すぐ側にいる、同性愛者には偏見を持っても、自分と関わりさえなければ、少女達は寛容なのだ。
覗き見するような感覚になるのか、それとも想像の世界で自分が少年になって犯されたいとでも思ってるんですかねと、金髪は続けた。
体毛のないつるつるの身体を投げ出して、そこらへんの官能小説の中身より、はるかにディープな内容をこなす男優たち。
手錠を掛けられて、ベッドヘッドに縛められ身体中を嘗め回されている少年は、なるほど少女マンガの中に居るような綺麗な顔をしていた。

少年と青年の狭間の短い時間。
女達はその瞬間を閉じ込め、愛でる。

声だけは芝居をして喘いでいるが、身体の方は気の毒なほど感じていないようだった。
本当は同性愛者ではないのだろう。
そう思うと、背筋を嫌悪に似たものが走った。
いくら、若くて綺麗な男でも、自分に付いているものを触ってやるのは、どう考えても俺には無理だ。
ましてや口に含み、喉を使い、排泄器官に捩じりこむ。
知らぬ間に、眉間に深く縦皺を刻んでいたらしい。

「松原さぁん、よしてくださいよ。」

「そんな恐ろしい顔で眺めていたら、この子の気がいかないでしょ。出るものも出ませんって。」

「あ、すまん・・・」

男優の顔にさっと頬に朱が走り、潤んだ瞳が、伏せられていた。
人前でこういう格好でいるのに、多少の羞恥心は有るということだ。





いや~・・・羞恥心じゃ無くて、BLは少女達の美しいファンタジーです。
一度本物見て見たいです。
奥が深くて、入り口でまごまごしています。 
最近目から鱗がおちまくりです。
お読みいただき、ありがとうございます。 此花


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