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小説・初恋・15 

「君が周囲に望む支配は、友情の反対に位置するものだ。」


「僕は何があっても、君と常に対等で居たいと思うよ、如月。」


「友人というのは、そういうものだ。」


奏は、ふと悲しそうな顔をした。


「君の言っていることが・・・わからない・・」


「僕の中には、その定義が無い・・・。」

何でも持っているはずの如月奏は、本当は欲しいものは何一つ持っていないことに、気が付こうとしていた。


そしてどんなに渇愛しても、決して手に入らないものがあると、いずれ業火に焼かれるほどの苦しみを知ることになる。


長いこと、籠の中でしか暮らしたことのなかった奏は、欲しいものは何でも与えられ、周囲を支配すること以外何も教えられなかった。


4つの征四郎の知っている「ありがとう」と「ごめんなさい」という単語すら知らなかったのだ・・・


全て、誇り高い公家華族「如月湖西」。


奏の実祖父の、歪んだ意向だった。

「何をしてたんです。」


「清輝っ!ごめん、釦に手間取って。」


早足で、外国語教室へ向かった。


「釦?如月を、また剥いたんですか?」


「逆だよ。着せたんだ。」


「はい?」


そんな慌しい会話はともかくとして、いきなり初日の外国語の授業に遅刻した二人は、手のひらに鞭を受け揃ってレポート提出の課題を言い渡された。


「全テ、英文デカクコト。」


顔色をなくした清輝の、顔をまともに見れなかった・・・・
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