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アンドロイドSⅤは挑発する 6 

アンドロイドの傍に寄ったあっくんは、まじまじと眺めた。

「でもSV……ってコードで呼ぶのは、余りおしゃれじゃないよね、何か可愛い名前はないかなぁ。どうマルセル?」
「では、ショーはどう?わたしの好きなショー・コスギのイニシャルなんだが」
「ショー?」

マルセル・ガシアンが身を乗り出してきた。

「彼は単身米国に渡り、英語に堪能。武道を極め礼節を重んじる日本の忍者なんだ」
「素敵。じゃあ、これから君の名前は、ショーくんでいい?」
「はい。ご主人様。そうお呼びください。それでは、お食事になさいますか?お風呂になさいますか?それともわ・た・し♡」
「ショーくん……その日本語は間違っていると思う」
「インプットされているプログラム通りに、話しています。ご主人様がお帰りになったときに、お出迎えする言葉です。秋月博士のアンドロイドは、皆そうプログラムされています」
「そう。そこも音矢の好みなんだね……」

アンドロイドを作った音羽の兄、音矢は、若くして米国に渡ったせいで日本語が不自由なのだろうか。
こんな薔薇色の頬で、七色Tバックをはいたアンドロイドが、セクスロイドのように音羽に迫ることを考えると、あっくんの胸が不安で騒ぐ。
気持ちを押さえて、あっくんは友人の分も食事の支度をしてくれるように、ショーくんに頼んだ。

「ショーくん。急で悪いのだけど、ディナーを一人分追加できる?」
「勿論です。ご主人様」

キッチンでてきぱきと家事を始めたアンドロイドを見つめて、あっくんはため息をつき、マルセル・ガシアンは感嘆の声を上げた。

「すごいじゃないか。このアンドロイドは本当に家事をこなすんだな」
「そのようにプログラムされております」
「わたしは家事ロボットだというから、てっきり丸くて青くて鈴が付いているのかと思っていたよ。とてもセクシーだ」

あっくんは、遺憾の意を表明した。

「わたしは、耳をねずみにかじられておりませんし、黄色の妹もいません。そして、ローデスクの引き出しにタイムマシンは入っていません」
「はは……、悪かった」

煮込みハンバーグの火加減を気にしながら、手際よくシーザーサラダを拵えるショーくんは、急な来客にも動じることはなかった。

「味も完璧だ。三ツ星レストランの味に匹敵する」

並んだ料理に、マルセル・ガシアンが賛辞を送り、ショーくんは恥ずかしげに頬を染めた。

「それほど手の込んだものを作ったわけではありません。褒めてくださるのはとてもうれしいですけど……ご主人様が気に入ってくださったら嬉しいです」
「それは、日本人の美徳である謙遜というものか。このアンドロイドには素晴らしい性能が搭載されているんだな」

料理を一度も褒められたことのないあっくんは、ほんの少し不機嫌になってパンプキンスープを一匙口に運んで、目を丸くした。

「……ぼくの、ママの味……」
「はい。お好きだとお聞きしましたので」
「人参もいれたの?」
「はい。ご主人様のお母様にレシピをいただきました。トッピングに、スライスアーモンドをトーストして載せました」

あっくんは人参が苦手なので、母親は料理に使用するときはそれとわからないように、すり込んでいた。
他の料理も全て、あっくんの好みの味付けだった。
料理後の片付けも手際よく、鏡のように磨き上げられたシンクには、鍋も皿も残されていない。
どこもかも新品のように、掃除されていた。





本日もお読みいただきありがとうございます。(*´▽`*)
どうやら、SVはあっくんと違って、何でもできる万能型のようです。
(´・ω・`)……


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