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隼と周二 学園の狂騒 10 【最終話】 

機嫌よく二人がいちゃついていた最高潮のとき、氷河を越えてマンモスが……違った、ヤツが来た。

「そこまでだ。木庭周二」
「ひっ……」
ごりと、こめかみに冷たい銃口が突きつけられていた。
カチャリと撃鉄が起こされる。
「俺の隼から手を離して、そのままその淫乱な手を上にあげろ!」
「あ、あわわっ?沢木さん……?これって、さすがにおまわりさんがやっちゃいけないことなんじゃ」
「そうか?俺的には、今すぐ引き金引いてもいい気がしてるんだけどなぁ」

確かに、沢木が怒るのも無理はない。
長椅子の上で横たわった隼の姿は、有名絵画の「裸のマハ」並みに扇情的だった。
しどけなくシャツはたくし上げられ、周二の唾液とほんのり浮かんだ汗で、水から出た人魚の肌のように滑らかに発光していた。
周二の舌でしつこく転がされた胸の尖りは、めいっぱいぷくりと膨らんで、熟れた木苺のように紅く育ち摘まれるのを待っているようだ。
しかも白くなまめかしい下半身は、隠されることなくぱっくりと開かれて晒されていた。
ささやかなぴんくのぞうさんが、薄いサバンナの下草にちょっぴり顔を出して、小さな鼻を持ち上げて恥ずかしそうに震えている。
今や、マンモスに遠慮して、周二の野生のアフリカゾウも行き場を失って、もじもじしていた。
聞かずにはいられない。

「一体誰が……(どこのどいつか知らないが、ただじゃおかね~)」

沢木は、ふっと口許を緩めた。
「木本から連絡があったのさ」
「は?何であいつ?」
このもう少しってところで、邪魔をしたのが木本と聞いて周二は再び顔色を変えた。

「あんの馬鹿ー、くそおっ、もう少しだったのに。裏切りやがって」
「鍵を渡したのは、ぼくだよ」
希代の生徒会長が、短い紐の先に付いた鍵を軽く回した。
「学校内の、不純同性交友を生徒会は認めません」
「は~?さんざん木元と乳繰り合ってるお前が、言うなーーーーっ!」
「それに言っておくけど、俺ら不純じゃないぞ。な?」
腕の中の恋人がうなずいた。
「純愛です」
そこには沢木が異を唱える。
「違うぞ。純愛は、高校卒業するまで恋人の前で「ぱんつ」脱がね~んだ、隼」
隼の目が、驚いたように丸くなった。
「ほんと?大好きでも?周二くんは、愛は惜しみなく奪い、惜しみなく与えるものだって、言ったよ」
「へ~、野獣が?」
周二に凍りつくような、視線が向けられた。
「パパは、隼に嘘はつかないし、おまわりさんは、嘘をついちゃいけないんだ。知ってるだろ」
「んっ」
「パパの好きな山口百恵ちゃんも歌ってる、一番大切なのは「まごころ」だって。だから「ぱんつ」は二人きりのときには脱いじゃだめなんだ。特に、野獣と一緒のときは禁止な」
「了解っ!(`・ω・´)きりっ!」
「了解じゃねぇって……。隼、騙されるなー。この間、おまわりが大嘘こいてどっかの役人を冤罪で逮捕したって、新聞に出てたぞ」
「パパは検察じゃないもんなー。市民の皆様にご奉仕する心優しいおまわりさんだし」
大きくうなずき、隼はぴんくのぞうさんを、そそくさとしまった。
肩越しに勝ち誇った沢木の悪魔の笑みとピースサインが、周二に向けられた。

くっそぉ!やっと、ここまできたのにっ!
「ぱお~(´・ω・`)」 ←ぱんつのなかの隼のぴんくのぞうさん

いつも大事な所で、邪魔が入る。
沢木の笑顔など、もう悪魔にしか見えない。
「さあ、帰ろう。何と今日の晩御飯は隼の好きなクリームシチューですっ」
「きゃあ。パパのクリームシチュー、好き、好き」
「隼が放課後しばらく、あの野獣の所へ行かないって言ってたから、パパがんばっちゃった。今日は非番だから、ゆっくり出来るぞ。」
「わ~い。パパと一緒の晩ご飯、久し振りだね」
いちゃいちゃする沢木親子を眺めながら、周二は苛々していた。
晩御飯など、ヨネ〇ケに突撃されてパアになっちまえっ!
この二人はこうなると、そこいらの「ばかっぷる」より始末が悪い。
「あれ、隼、眼鏡は?」
「失くしちゃった。だからあんまり見えないの。」
「そうか、じゃあ仕方ないな~。パパの大事な隼が転ぶと危ないから、仕方なくパパが抱っこするかな~」
「きゃあ」
あっさりと腕の中から、小さな可愛い恋人を奪い取られ、周二の胸にすきま風が吹いた。
高校生にもなって、抱っこで帰るなんておかしいぞ、隼。
その嬉しそうな顔やめろよ、沢木のくそったれ。
まじ、むかつく。
抱っこは、俺がするんだったのに。

家に帰った周二は、木本に当たっていた。
「木本、何だって沢木なんぞに連絡したんだよ」
「だって周二坊ちゃん。目の色変わっていましたし、本気で犯り殺しそうでしたから。守役としちゃ、ここは止めるでしょう」
「う~」
確かにやり過ぎだったのは、認める。
自分でも時々頭に血が上ると、感情が暴走するのには自覚があった。
「今日、ねんねは?」
「クリームシチューを沢木と食うんだってさ。クリームシチューなんざ、くそくらえっ!」

ばしゃん。
ドアの向こうで、何か汁気のあるものが落ちた物音がした。
急いで覗きにいった木本が、思わず声を出した。
「あ~!タッパー落っことしちゃったのか、ねんね」
「床、汚してしまいました。ごめんなさい、木本さん。パパのシチュー、周二くんと一緒に食べたかったから持って来たのに……」
「そうか、残念だったな。掃除しておくから、泣くな」
木元に優しく慰められて、ほろほろと涙が零れた。
いつものソファに座って、手の甲で涙を拭いた。

「し、周二く、ん。シチューなんて、くそくらえって……仲直りしようと思ったのに……・もう、わ……」
「わ……?って、何、ねんね」
木本が周二の方を振り返った時、周二は血相を変えて「ドア閉めろ、木本!」と叫んだ。
「わ……わたくし、実家に帰らせていただきます~~~っ!」
「わ~!隼、俺が悪かった、話せば分かる、誤解だーーーーっ!」

二人の、狂おしい秋が深まった。






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