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隼と周二 悩める少年S 1 

楽しそうにお友達とたむろしている、学校での周二くん。
ぼくは時々さりげなく通りかかった振りをして、零れてくる声を階段の下に聞きに行く。
「えっ!?うっそ。まじ、おまえって、お子さまサイズのタンショーホーケーなの?」
「この間、彼女できたって言ってたのに?大丈夫なのか?使い物になるのか」
「皮かむってるって、ガキじゃあるまいし。さっさと、てめぇで剥きゃあいいじゃん」
「やってだめなら、病院行け、病院」
「ピンクの象さんと一緒にいるのも、気色(きしょ)い!さっさと、剥いて来い」
「うっせ~っ!!おまえら~!!」
「オレが、短小だろうが、仮性だろうが大きなお世話だっつ~の!」

……

……が~ん……

……が~ん……

ぼくは、その場から後ずさって逃げた。
後から、あれ、隼?って名前を呼ばれた気がするけど、それどころじゃなかった。
学校のおトイレの個室に入って、鍵をかけた。
大急ぎでパンツを下ろしたぼくの視線の先にある「ぴんくのゾウさん」が震えてる。
ぱお~。

これ、もしかして?
ピンクのぞうさんって、さっき周二くん達が言ってたホーケー?
よくわかんないけど、タンショーホーケーって、トーカイテーオーとかトキノホーザンとか、サラブレッドの名前?
キンタマーニって名前の馬も、実際にいたはず。
それは、今、どうでもいいけど。
単勝だろうが、火星だろうがって何なんだろう?

「でも、でも周二くん。お友達に一緒にいるのも気色(きしょ)いって言ってた」
じわりと涙がにじむ。
毎日、可愛いって言ってくれて、毎日大人のキスをしてくれて、昨日も「めのほよう」だからなって腕の中にすっぽりと抱かれたのに。
本当は、ぼくのこと気色悪いって思ってたの?単勝で、火星だから?
「くっすん……」
涙が出そうになったけど(ちょっと出たけど)、放課後は周二くんのおうちに借金払いの「めのほよう」に行かないと。
悩むのは後にしようと思って、パンツをあげた。

「めのほよう」っていうのはね、周二くんのお父さんのうんと高い黒塗り外車に、ぼくが自転車で傷をつけたのが始まりだった。
その後、もう日本では手に入らないって言う、高級なとらさんカーペットを汚してだめにしてしまったから、そっちの弁償もすることになっていた。
ぼくの家は、父子家庭だからパパに心配かけたくないのと、自分でしでかしたことには自分で始末をつけるのが漢(おとこ)だっていつもパパが言っているから、自分で弁償すると決めたんだ。
周二君の家に着くと、松本さんが、ぼくの制服を手馴れた仕草で奪い取ってゆく。
毎日、放課後はぼくを観賞する「めのほよう」の時間。
裸になって、手錠を嵌めて、首輪を嵌めて、ベッドサイドにつながれている。
松本さんは、時々目で見るだけじゃ分からないからと言って、ぼくをさわさわと「仕方なく」検品する。
借金が払えないときは、ぼくはおちんちんを「売る」ことになっている。
外れないから、売れません。
周二くんが最後には丸ごと全部、買ってくれるって言ってる。
最後の最後には、どうぞよろしくお願いします。

「松本さん」
松本さんが、いつものようにカチャリと手錠を取り上げた。
「なんですか、ねんねさん。クーラー強かったら言ってくださいね、調節しますから」
「あのね。聞きたいことがあるの」
「なんですか?」
「ぼく、ホーケーかなぁ?」
松本さんの目がばっと見開かれて、その後視線が降りて行き、じ~っとおちんちんで固まったかと思ったら
「あっ、やべっ。おれ、トイレに用事があったんだ」
と言い置いて、おトイレに消えてしまった。
また?
松本さんっ!お返事してっ!
行かないでっ!

その後、木本さんがぼくの好きなグレープジュースを持って来てくれたので、木本さんにも聞いてみた。
「木本さん」
「なんですか?ストローが必要ですか?」
「違うの、聞きたいことがあるの」
「どうぞ、お聞き下さい。」
大人の木本さんがそういうので、思い切って聞いてみた。
「あのね。ぼく、ホーケー?」
木本さんは真剣な顔で、眉間に一本きゅと皺を刻むと告げた。
「それは、きちんと見て見ないとわかりませんね」
「木本さん、見ればわかる?」
「わかります。大人ですから」
「じゃあお願いします。単勝で、火星のキンタマーニかどうか見て下さい」
「はい?」

木本さんは、大学出のインテリ893さん。
商売の才に長けていて、周二くんのおうちの屋台骨を支えている、やり手の実業家でもある。
ションベンくさいガキが苦手で断念したけど、教員免許も持ってるし、頭良いんだあいつと周二くんが言っていた。
落第しないで済んでいるのは、あいつのおかげだって。
そういえば、いつか宿題をしていたとき、ぼくがつまずいた問題をサラサラと解いてくれたっけ。
「じゃ、ねんね、ここに寝て。そうです、よく見えるように力入れないで、かえるのようにぱっくり足開いてください。」
「あの……。ぱっくりはちょっと恥ずかしい……です」
「病院に行っても、同じ事しますよ」
「ほんとう?」
「木本は、嘘と坊主の頭は結ったことがありません」
よく見えるようにするためにといって、腰の下に枕を当てて木本さんはじっと覗き込んだ。

「う~ん」
「ど、どう?ぼく、ホーケイ?単勝で、火星のキンタマーニ?」
「分かりませんから、ちょっと触りますね」
「あっ」
温かい指がそうっとぼくのおちんちんに触れた。
そして、ぎゅっと握りこまれ、ピリと先端を裂かれるような鋭い痛みが走った。
「き、きゃあっ」
ぼくの逃げそうになった腰を掴んで、木本さんが押さえつけた。
「ねんね!じっと、してろ!」
「あぁっ」
低い声が怖くて、涙目になる。
斜めに捩って、半身を起こしたらぼくのおちんちんが。
あ。
「やっ、やっ、やめて。木本さんっ、いっ、いたぁ~い!」
「じっとしてろ。すぐだから」
小さな丸いぼくの先っちょが全部見えてた。
両膝を押さえて、木本さんが身体を入れる。
どんなにもがいても、木本さんはがっちりとぼくを捕まえたまま、放さなかった。

「はい、終了。これで大人の階段、一つのぼったな。ねんね」
「くっすん」
そうっと指で触ったら、ちょっとひりひりとした。
「消毒しとくか?」
「う……」
うんといったら、何かいけないことが起こるような気がする。
だって、この間生徒会長に襲われそうになった後で、キスしたとき周二くんは「消毒完了」って言ったから。
でもちょっと痛くて、もしかして先っちょ、血が出てない・・・?
ぼくの単勝で、火星のキンタマーニは大丈夫?

「ホーケーだった?」
「心配すんな、日本人の大方がそうだよ。見えてりゃ大丈夫」
「何が?」
「ねんねの、ちっこいうずら卵。後は、周二坊ちゃんと一緒に、大人になりな」
「周二くんと?」
何が何だか分からないけど、木本さんが言った。
「ま。ねんねも、これで一応大人ってことだな」

大人になるのは、人の痛みを知ることっていつもパパが言ってるから。
「ぼくもそう思います」
木本さんは、指先でちょんとあやすようにつついた。
「ゆっくりとな」

その声は、とても優しかった。






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