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秋色トレイン 2 

二週間前、おじ夫婦は子供達を残し、入ったお金で旅行に出かけた。
外から鍵をかけ、声が漏れないように周到にドアに目張りをした。
中に人がいるのが分からないように、電気のメーターが回らぬようにブレーカーを落として行った。

残暑の厳しい西日の直接入るアパートで、ぼく等は命を守るためトイレの水を舐めた。

動けなくなって、広告の裏にえんぴつで「たすけて」と書いて紙飛行機を飛ばした。

だれか……誰か、お願い。
ぼくの里を、助けてください。
どうか、里だけでも助けてください。

夕暮れの空に祈りを乗せて、白い紙飛行機はどこまでも飛んだ。

「アイス食べたい……ね……おにいちゃん」
「里。今はお水しかないから、我慢してね」
「おなか……すい……たね……」
「ご……めんね、里」

お湯を入れられない、カップラーメンをそのままかじった。
やがて、少なかったトイレの水も無くなり、時間も日付けも分からなくなった。

自分達の身体が、ふわりと運ばれてゆくのを感じていた。
虐待され続けた子ども達が発見され、毛布に包まれた。

「ひどいな……」と、臭気の籠もる部屋を空けて、警察官が呟いた。

散乱した菓子袋、開けられない缶詰には何とかあけようとしたのだろう、歯形が残っていた。
水道もガスも止められて、捕まったおじ夫婦は帰ってきたら子供を連れて、引越しをするつもりだったと、うそぶいた。







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