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波濤を越えて 41 

BL的性愛表現があります

白々と夜が明けようとしていた。
二人は、フリッツの言う狭いドワーフ(小人)の風呂に騒ぎながら仲よく入ったのち、少なくなった時間を確かめるように抱き合っていた。
背後から恋人を抱きしめたフリッツは、肩口に顔を埋め、いくつものキスの雨を降らせた。
湯上りのしっとりとした肌を確かめるように、フリッツは背中にあちこちに唇を落とし、印をつけるように触って正樹を高めてゆく。
尖った乳首を指で弾かれ摘みあげられると、じんじんと背中をむずがゆいような快感が這い上ってゆく。こらえきれずに、正樹は思わず両手で口を覆った。
室温は下がっていたが、オイルはそれほど冷たくはなく、深い場所に静かにゆっくりと染み込み馴染んでゆく。抜き差しされる指が、入り口で蠢くたび正樹は小さく呻いた。

「毎日、わたしは正樹の事を考えます。どこにいても、何をしていても、頭の中が正樹でいっぱいになってゆきます」
「僕も……僕もそうだよ、フリッツ……。あなたが僕の待っていたマルスだったんだ……」

正樹もすべてをフリッツに捧げたかった。ちっぽけでみすぼらしい何も持たない自分を、丸ごと愛してくれる西洋人にあげたかった。
長い時間をかけてフリッツは正樹の身体に執着し、どこで手に入れてきたものか潤滑剤の助けを借りて、やっと今、狭いそこに楔を打とうとしていた。

「あぁっ……でも、やっぱり……無理みたい……フリッツ……」

わりわりと音がして、そこに亀裂が入る気がする。
限界まで薄く伸びて、フリッツが侵入しようとするのに耐えていた正樹が、拒んで首を振る。未通の場所は、時間をかけて柔らかくなっていたが、フリッツのセクスを受け止めかねていた。
拒絶する正樹の唇をふさぎ、下肢を触って正樹が反応しているのを確かめた。
いつになく性急に正樹を求めるフリッツの姿に、正樹も精いっぱい応えようとしていた。夜が明けてしばらくすれば、フリッツは出会った時と同じように、大きなデイバッグを背負ってここを出てゆく。迫りくる別れの時がフリッツを焦らせ、正樹を常よりも大胆にしていた。
排泄にしか使用するはずのない場所で、愛を確かめ合う背徳感に、ぞくりと身もだえする……

「ごめんなさい、正樹……無理をさせてしまうとわかっています。でも、わたしは正樹と……」
「……ぅあぁーーっ!」

身体を進めるフリッツの背中に、正樹は悲鳴を上げて無我夢中でしがみついた。初めての快感が正樹の意識を何処かにさらってゆこうとする。
切れ切れの嗚咽のような正樹の高い喘ぎが、フリッツを煽り、上げられた白い足が何か別な生き物のようになまめかしく空を泳ぐ。

「正樹……正樹。可愛い正樹……愛しています」
「……ぁっ……ああっ……いいっ……」

やがて、口腔を蹂躙されながら硬直していた正樹が身震いすると、ふっと弛緩した。
生暖かい白い精が、腹にとろりとこぼれているのに気づいて、フリッツは満足げに微笑んだ。正樹が腕を伸ばして首に巻き付く。

「フリッツも達って……」
「正樹……」

正樹の力の抜けた両足を持ち上げると、フリッツもまた腰を打ち付け精を放った。
長い時間をかけて一つになった充足感と、これが最後だという胸を締め付けられるような悲しみがないまぜになったやるせない感情が二人を包む。
片翅を置いて、遠い地に旅立たねばならないフリッツと、一度手に入れた愛しきものを手放す恐怖に怯える正樹の頬は濡れていた。



本日もお読みいただきありがとうございます。
|ω・`)……何かもう書いてて鼻血ぶ~……
短い間に、二人がどれほど愛し合っていたか、通じ合っていたかが伝わればいいなと思います。
もうちょっとなので頑張ります。


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