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波濤を越えて 34 

BL的性愛表現があります

フリッツは経験の少ない正樹の様子をうかがいながら、ゆっくりと無理せずに高めてゆく。
手の中に握り込んだセクスは芯を持って勃ち上がり、やがて先端にこぷりと歓喜の露を浮かべた。
敏感な反りをくすぐるようになぞられて、正樹は思わず声を上げてのけぞった。
官能の波に呑まれるぎりぎりのところで、踏みとどまっていたのは、呑まれた後、自分がどうなってしまうのか怖かったからだ。

「あっ……」
「正樹、痛くない?」
「……気持ちいい…」
「もっと気持ちよくなって」

いつしか正樹は背後から抱えられていた。
器用な指が先端を弄りながら、もう一方は胸を這う。意識が現実に戻ろうとすると、遮るように唇を奪われて何も考えられなくなる。
膝頭が震えて閉じなければとかすかに思うのに、フリッツの指を求めて弛緩したように身体が開いてゆく。
どれくらいの時間がたったのか、ふと天井の桟に気づいて、布団におろされたと知った。窓から入る月明りは、覗き込む彫りの深いフリッツの表情に深い陰影をつけている。
削り出したように綺麗な顔に見惚れてしまう。

「正樹……」

この上なく優しく名前を呼ばれる。
ああ、この人がとても好きだと思った。

「フリッツ……」

誰にも見せたことのない深く狭い場所に、何かが塗られ、弾力のある何かが押し付けられた。
瞬時に、フリッツの指が侵入しようとしているのだと気づく。
恐ろしい程の違和感に、正樹は身を捩って必死に逃げようとした。

「だめです、フリッツ……!」
「逃げないで、正樹。怖くない」

フリッツに抱きしめられ深いキスを与えられて、思わず力が抜けた。
何かが塗られているせいなのか、それほど抵抗なくフリッツの指が入ってきた。
蠢く指が、それからどうなっているのかわからない。むずがゆいような感覚に耐えきれなくなって、思わず声が出る。

「いや……」

決して嫌ではなかったのだけれど、言葉は正樹の本心を裏切った。
まるで別人のような高い嬌声に、自身が驚いて、情けなくなってしまう。
出逢って数日しか経っていないというのに、こんな風に浅ましく乱れる正樹を、フリッツはどう思っただろう。
呆れているに違いない。
自分が、みっともなく欲情していると自覚したら、急に悲しくなった。
引きつるように嗚咽を上げて泣き始めた正樹を抱きしめて、フリッツがごめんなさいと謝った。

「正樹をいじめるつもりじゃなかった。本当に可愛くて、気持ちよくなってもらいたかったのだけど……急ぎすぎてしまいました。ごめんなさい」
「……違うよ。フリッツ。恥ずかしくなっただけ。何か変な声が出てしまったから」

小さな子供のように申し訳なさそうに大きな体をすくめる姿が、どこかおかしくて正樹はふふっと笑った。

「本当に?大丈夫?」
「あなたが……好きです。フリッツ……」

やっと思いを打ち明けた正樹を、フリッツは理解していた。
この青年はきっと自分には片翅しかないから愛される資格がないと、長く思い込んできたのだろう。
貝殻骨に隠された綺麗な両方の翅を広げて飛翔したら、どれほど美しい光景かとフリッツは思う。
フリッツは誰のものでもない美しい青年が、自分だけに微笑む幸せに酔っていた。




本日もお読みいただきありがとうございます。
エチ場面には、相変わらず思い切り時間がかかっています。……慣れませんね~
アダルトに登録しているから、思いっきり書いてもいいはずなのにね。←墓穴
正樹とフリッツの行為も、たどたどしく終わった後は、別れが近づいてきます。

(´;ω;`)ウゥゥ……「フリッツ……」←脚本読んだ正樹。


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