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Caféアヴェク・トワ 君と共に3 

直が出向している高級ホテルのケーキバイキングは、名の知れた一流ホテルだけあって、周囲を見渡すと、めかしこんだ女性客が多い。男性客もいないわけではないが、ごくまれだ。
松本も一人で覗きに来るのは、気恥ずかしさもあるのだろう。連れの居る今日は、いつになく上機嫌でエスプレッソを口に運んでいた。

「直の傍にいるのが、チーフシェフだ。やはり手際の良さが目を引くな」
「あの人が木本さんのお知り合いなんですか。背が高くて、なんか日本人離れした派手な男前っすね。マスコミが引っ張り出すだけのことはあるなぁ」
「中学の時からのダチだそうだ」
「……妙な色気のある男ですね。パティシエじゃなくても、もてそうだなぁ」
「だろ?兄貴と同じで、男女問わず惹き寄せるフェロモンでも出しているんだろうな。類は友を呼ぶとはよく言った物だ」

松本は、木本の友人でもあるチーフシェフに向かって、立ち上がると軽く会釈をした。
caféアヴェク・トワの休憩時間が無くなったのを確かめて、荒木と前橋も席を立つ。

「前橋。そろそろ帰るぞ」
「あぁ。ちょうど、うちの店の昼休憩の終わる時間ですね。松本さんは、どうします?」
「先に行っててくれ。俺は直の上司に挨拶をしてから帰る」
「ゆっくりしてって下さい。店の事は大丈夫ですから」
「おう」

近寄ってきたチーフシェフは、それまでの硬質な顔を崩して人好きのする笑顔を向けた。
営業用だと分かっているが、その穏やかな眼差しについ引き込まれる。優し気な風貌は、いかにも花形パティシエという雰囲気で華やかなものだ。
彼がオークジホテルに入社して以来洋菓子部門が飛躍的に売り上げを伸ばしたそうだから、腕も相当にいいのだろう。

「お越しになっていたんですね。松本さん。相良くんは、よくやってくれていますよ」
「度々邪魔をしてすみません。今日は、厨房の若いものにホテルの様子を見せておきたくて連れてきたんです」
「お連れの方は、どうやら甘いものは余りお好きではない風でしたね」
「見られていましたか」
「お客様の好みが、どうしても気になってしまうんですよ。職業柄ですね」

くすりと楽しげに笑ったチーフシェフには、すっかり御見通しだった。

「でも、お会いできてよかった。実は相良くんの事で、あなたにお話があったんです」
「直が何か?」
「いえ。むしろ、こちらからのお願いというか……仕事の話をしたいので、このままお時間拝借できますか?」
「構いません。ケーキバイキングは二時で終了でしたね?」
「ええ。大体、二時半くらいで終了です。直くんも交えて話をさせてください」
「じゃあ、晩飯を済ませてからでも、よろしいですか?直は明日休みなので、ゆっくり酒でも飲みましょうか。普段の話も聞きたいですし」
「いいですね。では、上の階のバーに予約を入れておきます。寿司を運ばせますから、夕飯もご一緒に」
「ありがとうございます。後程伺います」

cafe5.jpg


本日もお読みいただきありがとうございます。(*´▽`*)
一年ぶりにペンタブを触ったら、あまりに使えなくて驚きました。
一応、直くんのつもりなのですが、思ったビジュアルが描けなくて、反省しきりです。
(´;ω;`)ウゥゥ……もっと、練習しよう、このちん。「がんばる……」


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