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Café  アヴェク・トワへようこそ 8 

そこに松本がいるのが、力になったのかもしれない。
相良は、カチャ……とチェーンを外して出てきた。
緊張しているせいなのか、青ざめていた。

「店長をやくざだというのなら、黒崎さんはなんだというんです。製菓学校を出たばかりのおれに、あんたが何をしたか言えますか?」
「な、何を、言い出すんだ。人聞きの悪いことを言うな。合意だったじゃないか?私の所に来たいと言ったのは君の方だ。そうだろう?」

黒崎は機嫌を取るように、薄笑いを浮かべた。

「身元引受人もいない君に、仕事を与えてやったじゃないか。素人同然の君に、店の菓子も作らせてやった。感謝こそされても、文句を言われる覚えはないぞ。ああ、それに学生寮を出て住むところがないって途方にくれていたから、マンションに同居もさせてやったな。楽しい日々だったじゃないか、相良。まさか、もう忘れたなんて言わないだろう?……」
「……触るな……っ!」

手を伸ばそうとした黒崎から飛びずさった相良は、蒼白になって松本の胸のなかに倒れこんだ。
全身が、かたかたと震えていた。
様子が尋常ではない。


「直っ。大丈夫か。」
「店長……心配かけてすみません……この人、前におれが働いていた店のオーナーの黒埼という人です。おれが世間知らずで、人を見る目がなかったからいけなかったんだけど……」
「もういい。大体わかったから。人の血を吸って平気なダニってのは、どこの世界にもいるんだ。これまで、辛かったな。」

見上げる相良の額に、軽くキスをして座っていろと囁くと、松本は黒崎に向き合った。

「こじゃれたカフェのオーナーさんよぉ。シノギに困って手駒を閉じ込めて搾り取るのはよくある手だよなぁ。うちは残念ながらちゃんとした商売しかやってないから、そういうあこぎなシノギとは縁がないから、良くはわからんがね。」
「……どういう意味だ。私を侮辱する気なら、訴えるぞ。」
「へぇ~……?別に訴えて貰ってもいいけど?だけど、サツの前で直が全部喋っちまったら、困るのはあんたの方じゃねぇの?蛇の道は蛇って言うだろう。俺には、あんたみたいな屑のやり口ってのは少しはわかるぜ?あんたが直にしてきたこと、言ってやろうか。」
「わ……私の何がわかると言うんだ……わかるはずがない。」

黒崎の優位がぐらつき始めた。
動揺が全身に現れていた。




本日もお読みいただきありがとうございます。
直と前の店のオーナーの過去が明らかになってゆきます。

(´・ω・`) 「店長……傍にいてください。」
(`・ω・´)「直はおれが守る。」

ヾ(o´∀`o)ノ頼りないけど、がんばれ~

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