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漂泊の青い玻璃 24 

隼人は声を潜めた。

「あのな、武の彼女ってな、武以外の奴とも付き合ってるんだ。むしろ、本命の相手が構ってくれなくて暇だから、映画とか買い物とかカラオケとか、遊びたいとき誘ってる。言わなくても友達の分までお金出してくれるから、お財布代わりで超便利~って言ってたぞ。」
「ひど~……!隼人兄ちゃん、相手の人を知ってるの?」
「まぁ、ちょっとな。」

琉生は目を見開いたまま、言葉を失ってしまった。

「まさか、隼人兄ちゃんがふたまた……?」
「違うって!何だよ、琉生は、二股なんて言葉を知ってるのか。俺は今サッカーで忙しいから、女と付き合うような暇はないのは琉生も知ってるだろ?だけどさ、琉生がもし女だったとしたら、武と俺、付き合うんだったらどっちがいい?」
「隼人兄ちゃん。」
「ま、当然だな。大体さ、誰かを傷つけるのが趣味なんて、武の家族はおかしいよ。そんなだから女になめられて、二股かけられるんだ。」
「でも、ちょっと可哀想だね。」
「内緒だぞ。ま、あそこは親も親だしな。旦那が単身赴任だから、構ってくれる相手が居なくて、おばはんも欲求不満じゃね~の。この先、あいつらに何か言われたら、琉生は一人でくよくよせずに、直ぐに俺に言えよ。速攻ぶちのめすから。こっちは、いい加減頭に来てんだ。」
「わかった~。」
「ついこの間も、琉生は女みたいだって話してたから、ふざけるなって軽く締めてやったところなのに、ほんと懲りないんだよなぁ。」
「男だぞ~って、ちんこ見せてやろうかな?」
「バカ。見せてどうすんだよ。ガキだな、もう。欲求不満の馬鹿に襲われるぞ。」
「ん~?」

ちん○が付いてても、あのくらい可愛ければ抱けるなどと、嘘ぶいていたのを耳にして隼人はブチ切れたらしい。
もっとも、本気で殴りかかったのを、傍に居た友人に運よく止められたらしいが。

「とにかく、バカがうつるといけないから、琉生は武には関わるな。俺はうっかりおばはんの作り話を本気にして、琉生にもお母さんにも迷惑かけた。もう二度と、琉生の事いじめるような真似しないからな。武にも誰にも苛めさせない。」
「うん。ありがと。」
「本気だぞ?信じろよ?」
「ふふっ……。隼人兄ちゃんは、嘘つかないもんね。」

隼人は本気で悔いていた。
美和の病気も、傷つけた自分のせいかもしれないと担当医の所まで内緒で話をしに行ったくらいだ。
涙ながらに打ち明けたら、医師はそんな事は関係無いと請け負ってくれて、隼人は心底ほっとしたのだった。

「それを聞いて、安心したよ。」

「尊兄ちゃ~ん!お帰りなさい。」
「ただいま、琉生。」
「兄貴。学校、決まったのか?」
「ああ。センター利用で推薦通ったんだ。大学は家を出て下宿する。親父たちに話す前に、隼人と琉生に言っておこうと思ってね。」
「もう決めたのか?」
「決めたよ。少しでも早く決めて安心させてあげたかったからね。うまく第一志望に引っかかって、良かった。」
「俺、ちょっと居間に行って、お母さんの様子見て来る。親父たちに、すぐ話すんだろ?」
「そうだな。下宿を探したり、準備もあるから、少しでも早い方が良いと思うんだ。」
「尊兄ちゃん……やっぱり、おうち出て行くの?」
「そんな顔するな。時々は、琉生の顔を見に帰って来るよ。外国に行くわけじゃない。」
「でも……毎日会えなくなるよ……?」

じわりと涙ぐんだ琉生に、尊は優しい目を向けた。

「ここにおいで、琉生。話をしよう。」

ソファに座ると、尊は琉生を誘った。いつものように、黙って膝の間に座って琉生は頭を預けた。背後から琉生を抱きしめると、尊は肩に顔をうずめた。

6年生になっても、琉生はこうして尊にくっ付くのが好きだった。




本日もお読みいただきありがとうございます。(〃゚∇゚〃)

琉生とお兄ちゃんたち。何だか、甘々です。(ノ´▽`)ノヽ(´▽`ヽ)
……つか、琉生くん。幼稚じゃね?

( *`ω´) 「なんだと~、ぷんっ。」


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