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朔良咲く 11 

朔良は髪をかき上げた。
何気ない動作に、思わず目が行く。主治医がこれまで見たことのない艶めかしい仕草だった。

「あの、ちょっと。」

去りかけた島本が、足を止めた。

「一つ聞きたいことが有るんだけど?」
「……何だ?」
「あんた、何で理学療法士になったの?答えてよ。」
「……ん?君達、知り合いだったのか?」

驚いたように医師が言う。

「ええ。同じ高校なんです。僕は陸上部の後輩で……先輩には、ずいぶんお世話になったんですよ。ねぇ……?」

島本には返す言葉がなかった。朔良の真意がわからず、困惑してごくりと咽喉が上下する。
医師は何やら訳の有りそうな二人に、目を向けた。

「島本君。話が終わったら自分の所に来てくれるかな。鈴木さんの痴呆が進んでしまったから、施設変更の手続きがあるんだ。あ、それから君は僕の用で外したことにしてチーフに言っておくから、そのつもりで。」
「あ、はい。では、少しだけお時間いただきます。」

医師は席を立った。
多くの患者が彼の診察を待っている。遠方から泊りがけで診察を受けにくる患者も多い。
時間は限られている。勤務中にいつまでも一人の患者に関わっているわけにはいかなかった。
二人はしばらく無言で、医師の出て行った扉を見つめていた。

「先生の言ってた、患者さんの施設変更ってほんと?」
「たぶん時間を作ってくれたんだと思う。周囲にすごく気配りのできる優しい人だから。」
「で、返事は?答えてよ。」
「しなきゃいけないか?朔良姫には、もうわかっていると思うんだが……」
「想像はついてるよ。だけど、あんたにはきちんと言葉にする義務があると思うんだけど?僕の方には聞く権利があると思うし。」
「酷いことをしたから、今も恨んでいるんだろうな。」

神妙な島本に、朔良は意外な面持ちだった。この男はこんなに穏やかな性格だっただろうか。

「忘れたりはしないけど、女の子じゃあるまいし、済んだことをぐちぐち責めるつもりはないよ。あんたが何でこの仕事を選んだのか、知りたくなっただけ。」

じっと見つめる朔良の強い視線に、島本は耐えきれなくなっていた。

「……朔良姫が事故に遭ったと聞いた時、俺はもしかするとわざと逃げなかったんじゃないかと思ったんだ。俺が酷いことをしたのが原因で、望んで事故に遭ったのかもしれないって思った。そう思うと、申し訳なくてやりきれなかった。」
「それ……僕が自殺を図ったとでも思ったの?」
「ああ……そう思った。傍に居た織田彩は無傷だっただろ?あいつは運動神経もいいし、傍目にも朔良姫をすごく大切にしてた。絶対に一人だけ助かろうとするはずはないし、見捨てるわけがない。だから、もしかしてと考えたんだ。」
「……うん、そうだね。その後も見捨ててしまえばよかったのに、おにいちゃんはそうしなかった。」




本日もお読みいただきありがとうございます。(〃゚∇゚〃)

思わず声を掛けた朔良。朔良は島本に何を聞くのでしょう。

(´-ω-‘) ま、別にどうでもいいことなんだけどね~←朔良

(´・ω・`) 朔良姫は、もしかすると自殺しようとしたんじゃないかと思った……←後悔してる島本

(。'-')(。,_,)ウンウン そうよね、ひどかったもんね~←此花

( *`ω´) てめぇが、脚本書いたんだろうが!ぼけ~!かす~!←朔良

[壁]ω・) ……ボキャ少なすぎだよ、朔良。


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1 Comments

此花咲耶  

拍手コメントさま

(〃゚∇゚〃) 朔良はつんつん全開で、まるで女王さまです。
島本はこのままいくと、下僕確定……きゃあ~ヾ(〃^∇^)ノ
島本が朔良に加えた狼藉は深い傷になっているようです。でも、此花は朔良には前を向いてほしいと思っています。
そうですよね~、いい年こいてお父さんのことパパって言うのはちょっとね~

( *`ω´) ちょっと間違えただけだもん……ぷんっ!
(〃゚∇゚〃) ……萌えてくださって、ありがとうございます~←よそいき朔良

コメントありがとうございました。

2014/03/01 (Sat) 23:12 | REPLY |   

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