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嘘つきな唇 53 

BL的性表現があります。ご注意ください。

失ったあの日から、求めてはいけないと自分に言い聞かせて来た彩の優しい視線に晒されて、里流の心は満ち足りていた。
ほろほろと零れ落ちる、とまらない涙を隠したくて、シーツに強く顔をこすり付ける。
抱きしめ合って時間が過ぎることだけを夢見て来たはずだったのに、もっと触れてほしい、彩を受け入れたいと、どうしようもなく歪な欲求が湧きあがる。
里流の中に眠っていた激しい劣情が奔流となって、唇から迸った。

「もっと……強く、擦って……彩さん……もっと。」

互いの下肢が開放を求めて紅色に色づいてたぎっていた。
彩は炎天下でも日に焼けない里流の肌が、ほんのりと欲情に染まるのを見つめていた。

「いいか、里流。」

潤んだ瞳でこくりと頷く里流の両膝に、彩は手を掛けた。中心に萎えないままのセクスが物欲しげに濡れて揺れている。ふっと口角を上げた彩に、下肢を見つめられているのを感じた。彩の眼前で蛙のように足を開いて乱れているのに気付き、思わず膝を閉じようとしたが思わぬ強い力で押さえつけられた。

「あっ……」

「里流。大丈夫だから、じっとして。挿れるよ……」

「な、何……を?」

「うん。里流が痛くないようにね。」

彩が何かを手に取り、里流の後孔に触れた。痛みはなかったが無機質な異物の入って来る感覚に、思わず怖気た里流がずり上がり起き上がろうとする。
だが、彩の手のひらにあるものを認めて力を抜いた。

それは酷い言葉で里流を傷つけながらも、身体が傷つかないように、昨夜彩が使った潤滑剤の入った小さな器具だった。針を外した細身の注射器のようにも見える。
実際は分泌物が少なくて、性行為に痛みを伴う女性のために使われるものらしい。膣に、安全に挿入される樹脂製のケースに入ったジェルが、彩の手で里流の内部に深く挿入されて、ゆっくりと広がってゆく。
じわじわと体内に入って来る潤滑剤は、むずがゆいような不思議な感覚で里流の内部を圧迫し侵食してゆく。
里流の閉じた孔から、粗相をした時のように溶けて溢れた液体が太腿を這った。自分が零したものかと不安になる。

「まだ腫れてるな……、里流。滲みる?」

つぷ……と、指を差し入れ内部を確かめた。
ゆっくりと内壁を広げる指が抜き差しされる度、頭を振りたてた里流のセクスから溢れた先走りが光る。

「い……っあ……ひあ……っっ!」

甘い悲鳴が零れた。もう早くイカせてほしいと思う。
張りつめた部位が自由を求めて、はしたなく前後に揺れた。

「あのっ、う、うつぶせに……」

膝の間に身体を入れて動けなくした彩が、じっと里流の顔を凝視する。覗き込まれて、狼狽した里流は必死に上体を捩じり向きを換えようとしたが、彩はゆっくりと腰を進めてきた。彩の熱く猛った昂ぶりが、里流の待っている場所に熱を持って侵入してくるのを感じた。

「あっ……くっ……ぅ」

長い指よりも質量を持って深く打ちこまれる楔に、里流は震えた。ぞくりと鳥肌が立つ。
うつ伏せになれと命じた、彩の冷たさを覚えていた。

「あぁっ……!ひ、彩さん……ま、待って。動けなくなる……からっ。」

声が裏返った里流に、もどかしく一つ口づけた彩は、直も深く腰を入れた。

「彩さん……あ……彩さん……」

里流はただ名前を繰り返して呼ぶだけで、結合したまま寝台に張り付けられていた。快感に全てを明け渡せないまま、胸の奥でしこりが疼いていた。溢れる涙をぬぐう暇もなく、目の前の彩が滲む。

「このままでいい。里流の泣く顔が見たいんだ……いいか?」

「このまま……?」

腕を伸ばして里流は彩の頭を抱いた。下肢を深くつなげたまま、昨夜の悲しみの澱が浮き上がり流れてゆく。彩の顔を見ながら感じたいと言う里流の願は、やっとかなえられた。彩に濡らされた最奥は、彩の雄芯を受け止めたまま放すまいとして、きゅうと締めつけていた。

「……彩さん。彩さん……おれ……」

「里流、ごめん。そんな風にされたら、もうもたない。」

里流の顔を見つめながら、彩は再びぐいと腰を入れ動かし始めた。里流は顔の横に置かれた腕に縋り、首に抱き付いた。
視線を絡めたまま、突き上げられた里流は泣いた。

心の痛みではなく、やっと浸れた安堵に泣いた……
哀しみではなく取り戻した安らぎに、ふっと……世界が白い靄の中に溶け、里流は意識を手放した。




本日もお読みいただきありがとうございます。(〃゚∇゚〃)
何かもういっぱいいっぱいですが、何とかここまで来ました。(*ノ▽ノ)キャ~ッ

(´・ω・`) ……ちゃんと、色っぽくなってるかなぁ……←不安~


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