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嘘つきな唇 47 

里流の染まる頬は、運動したせいだけではなかった。

*****

「先生!またね~。」

「ボールありがとう!練習するからね~!」

「頑張れよ!またな。」

日が暮れかかっていた。
子どもたちと別れた夕刻、里流はバイトの時間だからと二人に告げた。

「彩さん。おれ、6時から入ることになってるんで、そろそろバイトに行きます。」

「そうか。今日も仕事なのか。」

「休みの内に、下宿代稼がないとやばいんです。」

「俺も、弟の同級生の家庭教師掛け持ちしてるんで、行ってきます。じゃな、里流。また、時間出来たら電話する。」

「うん……あ、沢口ちょっと。」

「ん?」

沢口の腕をつかむと、小声で伝えた。

「さんきゅ。」

「ば~か。先輩、それじゃ。また、暇ができたら遊んでください。」

「おう、またな。今度は三人で飲みに行こう。」

「ボーナスでたら、奢ってください。」

沢口が手を振って去った後、残された彩と里流は、早々に会話を失くしてしまった。
仕方なく彩の家の方へと歩き始めたが、すぐに着いてしまった。名残惜しいが仕方がない。

「じゃ……おれ、行きますね。」

「里流。バイトの終了時間は何時だ?」

「10時ですけど……?」

「迎えに行くから。」

「え……?」

そう言った彩の言葉の真意が見えず、里流は困惑していた。

「彩さん、明日出社でしょう?おれは今日、すごく楽しかったです。あの……気にしないでください。おれは平気ですから。」

「なかったことにしてくれなんて、虫の良いことを言う気はなかったが気が変わった。今は、できれば里流の時間を一日でいいから巻き戻して欲しいと思っているよ。……もし、少しでも俺の中に、里流が好きだったころの俺を見つけられるならだけど……時間をくれないか。」

「おれ……彩さん以外の誰かの背中を追ったことなんてありません。おれにはずっと、彩さんだけでした。夕べは驚いたけど、おれは弱い彩さんも……どんな彩さんでも好きです。」

顔に血が逆流する。耳や首筋まで赤くなっているのを自覚しながら、必死で里流は続けた。昨夜のように酷くされるのが好きだなんて口にしてしまったら、おかしいと思われるかもしれないと心が萎えそうになる。
それでもやっと彩に本心を打ち明けられた今日を逃せば、再び彩を失う気がして必死だった。

「そうか……里流は、どんな俺でもいいのか。」

「だから、沢口がいつもおれのこと、ばかだって言うんです。諦めは悪いし、思いきれないし、いつまでも引きずってるって。」

「散々な言われようだな。」

「でも、その通りなんです。迷惑かもしれないって思うんですけど、嫌いになる理由が無くて。なんか、女々しいです。」

「いや。女々しくなんかない。里流は強いよ。きっと俺なんかの数倍強いと思う。じゃ、後でな。」

自宅に入ろうとする彩が傍を離れると、体温が下がった気がした。

ふと振り返った彩が、里流の傍に駆け寄ると唇を掠めた。




本日もお読みいただきありがとうございます。(〃゚∇゚〃)

不器用ながらも、必死に彩に思いを告げた里流。

(°∇°;) あんな目に遭ったくせに、ばかじゃないの~
(´・ω・`) だって……ずっと好きだったんだもん。

 ヾ(〃^∇^)ノだから、里流はばかだって俺が言ってるじゃん~←沢口
( *`ω´) ぷんっ!



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2 Comments

此花咲耶  

nichikaさま

> 遅くなり w~~~~みんなが青春が=====って
>
> 腐腐ゆくり追いつきます

お読みいただきありがとうございます。
もどかしい二人ですが、青春しています。でもなんか、子供っぽいですね……(´・ω・`)
中々大人は難しいです。がんばります~(`・ω・´)

2014/02/04 (Tue) 14:42 | REPLY |   

nichika  

あら

遅くなり w~~~~みんなが青春が=====って

腐腐ゆくり追いつきます

2014/02/03 (Mon) 00:18 | EDIT | REPLY |   

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