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嘘つきな唇 38 

※BL的性愛描写があります。ご注意ください。

そそり勃つ彩のセクスにゴムを被せ、その上から言われるままローションを丁寧に素早く塗った。

彩は冷ややかだったが、反応した持ち物に自分は嫌われているわけではないと、ほんの少し安堵した里流だった。
気付かれないように、里流はそっと露を抱いた先端にキスをした。

「準備はこれで……良いですか?」

「ああ……。」

「あの……おれ……彩さんの……顔を見ていたいです。うつ伏せにならないと、駄目ですか?」

一瞬、逡巡した相手に、もしかすると許してもらえるかもしれないと、淡い期待が震える。
だが、次の瞬間には、肌が粟立つほどの冷たさで、彩は里流を突き放した。

「なんだ……恋人同士みたいなことを言うんだな?」

「あ……すみま……せん。」

涙腺が緩みそうになるのを、強く瞬きをして堪える。
くるりと寝返りを打って腹ばいになり、ぽんと放られた枕を腹に抱えて、高く腰を上げた。男同士の行為がどんなふうにされるのか、経験はなくとも少しは調べて知っていた。

前腕に目蓋を押し付け、涙が零れそうになるのを我慢する。
冷たくされたのは自分への罰。

うっかりと求めてしまった、決して欲しがってはいけない手だった。

「あ……うぅっ、うっ……」

まるで錆びた鍵穴に、合わない鍵を無理やり入れるような行為。
本来は受け止める場所ではない排泄に使うそこが、ぎちぎちと音を立てて軋む気がする。
愛の欠片も熱も感じる事のない交わりだったが、彩が内側に注入した潤滑油のおかげで痛みは少なかった。
聞くに堪えない卑猥な水音が、愛の無いただの肉の交わりなのだと里流を悲しくさせる。

思わず上腕に歯を立てた。痛みで紛らわさなければ、彩を求めてしまいそうになる。
想い続ければ、願いはきっと叶うなんて、現実を知らない誰かが机の前で考えた嘘っぱちだ。言葉にして伝えなければ、誰にも思いは届かない。

何度も強く腰を打ち付けられ、彩の短い呻きと共に熱い迸りが内部に溢れ、薄いゴムの中に溜まった。
吐き出すだけの行為が終わり、ずるりと雄茎が引き抜かれた感覚に、思わず、あっと声が出る。

かび臭い布団の上の里流を労わるべくもなく一瞥し、彩は告げた。

「じゃ……行くわ。」

「またな、里流。」

「ま、待ってください。あの……明日休みだって聞きました。もし、時間があるなら明日も……会えませんか?会いたいです。」

「なぜ?」

「もっと彩さんと、話をしたいんです……」

「なんだ?里流はそんなに俺とセクスがしたいのか?」

彩は屈みこむと、里流の髪に触れた。

「淫・乱。」

思わず目を伏せた里流の耳元にそう囁くと、顔の横に持ち物を拭ったティッシュを丸めて、ぽんと無造作に置いた。

酷い言葉で詰られても、里流は彩を嫌いになれなかった。
それどころか、何年も前からずっと心の底でこうなることを願っていたと、気が付いただけだった。

ぱたんと音がして、彩が出て行く。
織田朔良の元へ帰ってゆくのだろう。
最愛の恋人の所へ帰ってゆく彩は、どんな顔をしているのだろう。
情の通わない放出するだけのセクスを終えて、少しは抱えた靄が晴れただろうか。

「彩さん……」

不意に、喉元に嗚咽がこみ上げた。
里流は声を上げて啼いた。

「う……あぁーーーっ……」

安ホテルの枕が、声を吸った。




本日もお読みいただきありがとうございます。(*ノ▽ノ)←汗、汗……

里流の捨て身の愛情は、彩に届いたのでしょうか。せつないね……(´・ω・`)


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5 Comments

此花咲耶  

nichika さま

> 彩が鬼畜になっている===

(´-ω-`)……そうなの。どうしたものかしら……
  
> 淫乱と言われても里流は好きなまま 気持ちは変わらない

自分を責めている里流です。悲しいです。。・゚゚ ’゜(*/□\*) ’゜゚゚・。

> 彩が外にでて どんな顔をしているでしょう  
> この時点で一番 嘘つきなのは 里流のことを思う 彩かもしれないと 思った

[壁]ω・)チラッ……あ、やばいところに気がついてる。まずいな~
nichika さんをぐるぐる巻きにして、押し入れにいれておかなければ。ε=(ノ゚Д゚)ノ そいやっ!
コメントありがとうございました。(〃゚∇゚〃)

2014/01/18 (Sat) 21:06 | REPLY |   

nichika  

ぐわーん

彩が鬼畜になっている===  
淫乱と言われても里流は好きなまま 気持ちは変わらない

彩が外にでて どんな顔をしているでしょう  
この時点で一番 嘘つきなのは 里流のことを思う 彩かもしれないと 思った

2014/01/17 (Fri) 17:27 | EDIT | REPLY |   

此花咲耶  

拍手コメントさま

 ヾ(〃^∇^)ノ朔良をえこひいきしてくださっている拍手コメントさま

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
ふと我に返ると、確かに朔良は酷い目に遭ってました。♪すまぬ~(´・ω・`) ←
いつか、朔良にも王子さまが現れるといいね~と思っています。[壁]ω・)チラッほんとよ。
コメントありがとうございました。(〃゚∇゚〃)

え、え~っと、 里流にも優しくしてね~(*ノ▽ノ)キャ~ッ

2014/01/17 (Fri) 17:18 | REPLY |   

此花咲耶  

みかさま

> どうしてこんな展開に…(涙)

(。´・ω`)ノ(つд・`。)・゚「せ……先輩が……違う人になってしまいました。」

> すれ違ってしまっちゃいましたね。
> こんなことをしながら彩は里流を傷つけないように抱いたと信じたいです。

早く誤解を解いてあげたいような、もう少しうだうだ言ってもらいたいような……♪ψ(=ФωФ)ψ←いじめっこ~
傷つけないように……里流は初めてだったみたいです。きっと、ほんの少し彩は微笑んだかな。
>
> 先日はド田舎の、さらに地中深くにあるような穴蔵までお越しくださいましてありがとうございました。
> とても嬉しかったです。
> なんだか皆さんに刺激されて、久し振りに腐った脳を動かしてみようかという気になりました。

こちらこそお越しくださいまして、ありがとうございます。(〃゚∇゚〃)
余り気負わずがんばってくださいね。
此花も実はBLを書いたのは、隼と周二のシリーズが初めてでした。(*ノ▽ノ)キャッ
それこそ体をつなぐ方法も何もわからなくて、皆様に色々教えていただきました。そのせいで、あの作品の主人公二人はいまだにキスどまりです。
みかさんも、いよいよ執筆活動ですか?おお~、楽しみにしていますね。
コメントありがとうございました。(ノ´▽`)ノヽ(´▽`ヽ)がんばろうね~

2014/01/16 (Thu) 23:59 | REPLY |   

みか  

どうしてこんな展開に…(涙)

すれ違ってしまっちゃいましたね。

こんなことをしながら彩は里流を傷つけないように抱いたと信じたいです。


先日はド田舎の、さらに地中深くにあるような穴蔵までお越しくださいましてありがとうございました。
とても嬉しかったです。
なんだか皆さんに刺激されて、久し振りに腐った脳を動かしてみようかという気になりました。


2014/01/16 (Thu) 22:15 | REPLY |   

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