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風に哭く花 38 

話の見えない柏木は、知らずに傷ついた弟の心に塩を塗るような行動をとってしまう。
苛立った直樹は、とうとう光揮を捕まえて、何があったか問い詰めた。

「兄ちゃんは、お前の為を思って話をしに行ったんだ。だが、あいつらへらへら笑って、全て光揮が望んだことだと言う。一体どうなってるんだ?お前は勉強もしないで、毎日何をやってるんだ。あちこち傷だらけじゃないか。脱いで見せてみろ。」

「……兄ちゃん……」

伸ばした腕を払って、光揮は掠れた声を何とか絞り出した。

「あ、あのね……ぼく、おかしいんだ。怖くてたまらないのに、坂崎君に呼ばれると嫌だと言えないんだ。……病気かな……」

「病気?そんなわけないだろう?光揮はそいつらが怖いんだろう?殴られたり、お金を巻き上げられたりしているのか?だったら、もういっそ学校に話をして警察沙汰にした方がいい。俊哉に相談してみよう。あいつの父親は、警察関係だから。」

「兄ちゃん……違うよ。これ……見て。」

「なに……?」

光揮がよこした雑誌に、直樹は固まった。
それは、一般的に流通することのないようなマニアックな雑誌で、直樹の愛する清らかな光揮には不似合なものだった。
目を疑うような、嗜虐の写真がそこに有った。

自己を放棄して相手に委ね、相手が満足するまで、欲求にどこまでも従順に隷属する男の姿がそこにはあった。白い肌に食い込む縄目。吊られて喘ぐ哀しい姿に、直樹もまたごくりと息を飲んだ。淫らで扇情的で、美しかった。

「ぼく……嫌だし、怖いけど……坂崎君が、好きなんだ。命令されると、うんって言ってしまう。この本、坂崎君のお兄さんがくれたんだけど、見てたら、ぼくもこうされたくて……お……ちんちん……が固くなる。」

「お前、もうすぐ受験だろ?まだほんの子供の癖に、こんなアブノーマルなものに欲情して、どうするんだよ。俺と同じ学校受ける気なんだったら、学年で十位以内にはいないと受からないぞ。こんなものは、ベッドの下にでも隠しとけ。少なくとも、家族に見せて良いものじゃない。不愉快だ。」

「そうだ……ね。……兄ちゃんの弟だったら、優秀じゃないといけないのに、ごめんなさい……。」

「わかればいい。まだ、取り返す時間はあるから、頑張ってみろ。判らなければ教えてやるから。」

「こんなじゃ……ぼく……生きてる価値……ないね。」

「時間はある。光揮……やり直せるさ。」

「やり直せる……?」

いつものように優しく頬を撫ぜながら掛けた、ちぐはぐな兄の言葉に、光揮は例えようもない悲しげな目を向けた。
誰にも理解されないことを悟って、ついに光揮は絶望した。

兄に全てを打ち明けたその日から、光揮の自傷が始まった。




本日もお読みいただきありがとうございます。(〃゚∇゚〃)

理解されない光揮の苦悩……(´・ω・`) う~ん、う~ん……
主人公ではないのでざっくりと終わらせる予定です。



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4 Comments

此花咲耶  

nichika さま

> あん!この期に及び  此花ちん かいてね

(〃゚∇゚〃) ストック無いけど、頑張ってます。もう少しで、着地点です。がんばりまっす。

2013/08/24 (Sat) 20:53 | REPLY |   

nichika  

あん!この期に及び  此花ちん かいてね

2013/08/24 (Sat) 02:55 | EDIT | REPLY |   

此花咲耶  

nichika さま

> 何でもの望むように でも? 坂崎君はそっちじゃなかったよね
> 坂崎君兄がひきょうな奴なんだろけど

詳細を書こうかどうしようか、迷っています。
濁したほうが良いかなぁ……
坂崎君は早熟なノーマルです。不良に良くいるタイプの設定です。坂崎兄がどうしようもない変態なのは確かだけど、チョイ役でっす。(〃゚∇゚〃)

コメントありがとうございました。

2013/08/23 (Fri) 22:11 | REPLY |   

nichika  

好きだから

何でもの望むように でも? 坂崎君はそっちじゃなかったよね
坂崎君兄がひきょうな奴なんだろけど

2013/08/23 (Fri) 16:02 | EDIT | REPLY |   

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