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番外編 金襴の契り 4 【最終話とおまけ】 

※BL的性表現があります。ご注意ください。

杏一郎は、その場に解かれた晒しを手に取ると、鶴千代の膝がしらを緩く結わえ痛くはございませぬな?……と聞いた。転がした鶴千代の膝を折り赤子にむつきを当てるような格好をさせ、直も菊門に執着する杏一郎に怖気付いた鶴千代の喉元から一つ、嗚咽が漏れた。
裏腹に、杏一郎の手の中に在る前部は、再び固くしこり始めている。指が敷布をきゅと握りしめたのを認めた。

「鶴千代さま。お辛いですか?」

「……辛いのは杏一郎の方だ。鶴は心地よかったが、杏一郎はここがまだ凝(こ)っておる。果てなくとも良いのか?鶴に出来ることが有るなら……」

手を伸ばしてそっと触れ、杏一郎を思いやる鶴千代を愛おしく思いながら、杏一郎は直も若い茎をなぞり甘い責めを続けた。先ほど吐精したばかりだと言うのに、若い茎は再び芯を持ち薄く紅色に染まっていた。

「鶴千代さまの茎はすべすべと、まるで絹のごとき触り心地にございます。」

「……んっ……」

知らず腰が前後に緩く揺れた。

思えば幼いころから常に、他の誰でもないこの優しい兄分の腕だけを求めていた鶴千代であった。
二人で過ごす至福の時間に鶴千代は浸り、杏一郎もかけがえのない金襴の絆を感じていた。

「……最初はここを使います。鶴千代さまは、まだ慣れておりませぬから……」

「好きに……せよ。……あぁ……また……。」

そう口にしたものの、鶴千代は初めて知る悦楽の縁に踏みとどまり怯えていた。指を一本咥えたまま、頑なな顔を見せる絞りはまだ幼く解けない。
杏一郎は膝裏を押しあけると、加えて油を塗り、はなから考えていた通り菊門を使わず素股を使った。熱い塊が腿を割るのを知った鶴千代が、悲しげな視線を向ける。友人たちの話から、行為について少しは知っていた。
その頬は濡れていた……

「鶴は……鶴の菊門は……杏一郎の役に立たぬのか……済まぬ……」

「なんの。ただ一度の契りではありませぬ。杏一郎はお可愛らしい鶴千代さまを、決してこのまま手放したりは致しませぬ。無理をしたくないだけでございますよ。」

「そうか……」

下から見上げる鶴千代の顔が歪み、ほろほろと安堵の涙が目尻を伝う。腕を伸ばし、ひしと首に縋った鶴千代を、兄分は慈しみを込めて骨も折れよと抱いた。
流れる涙を舐め取り、自分のもので濡れた少年の腿を拭い、杏一郎は耳朶にささやく。

「殿が……いつか、おっしゃっておりました。」

「……父上が……なんと?」

「鶴千代さまと杏一郎が結ぶのは「金襴の契り」だと……。固く美しい真の友情で、心を合わせれば、その固さは金をも断ち切るほど強く、その美しさは香りの高い蘭花のようになるのです。」

「金襴……杏一郎……鶴もそうありたいと思う。」

「これより先、鶴千代さまは、常にご家名を第一にお考えなさいませ。契りを結んで肝胆の仲となりましても、決して杏一郎の事だけを見てはなりませぬ。凛々しく雄々しく中道に立つ類いまれな人物におなり下さい。さすれば杏一郎は命ある限り全てをなげうって、どんな時も鶴千代さまのお役にたつべくお傍に馳せ参じまする。」

「きっと、約束する。鶴は誰でもない、杏一郎に褒められたいのじゃ……」

「鶴千代さま。」

「杏一郎が好きじゃ……心の内で慕うのは良いか?」

「杏一郎も……御伽小姓としてお傍に上がった時から、鶴千代さまを愛おしく思っておりまする。この気持は終生変わりませぬ。鶴千代さまある限り、二心無く藩内一の忠臣としてお仕え致します。」

うん、うん……と何度も、鶴千代が小さく肯いた。
ふと、あの小さな玩具を思い出し、杏一郎は前髪の小さな頭を抱いた。

求め合う魂が一つに溶け合う美しい光景であった。
背骨を弓なりに反らして、再び鶴千代は羽二重の海に沈んだ。

「今、一度……」

「杏一郎……あぁ、熱い楔が……入って来るようじゃ……」

長い影が伸びて主従は一つになり、互いの欠けた部分を埋めあうように抱きあった。



                           金襴の契り ―(完)―






【金襴の契り】

堅く結ばれた、美しい友情のこと。金よりも堅く、蘭の花よりもかぐわしい交際の意。




本日もお読みいただきありがとうございます。(*⌒▽⌒*)♪
ちょっと、朝チュンになりかけましたが……だいじょぶでしょうか?
互いを大切に思う主従関係は、この先何があっても揺るぐことなく、深いところで信頼という絆で結ばれているのだと思います。(〃ー〃)うふふ~
これにて、一応の完結ですが、以下におまけを書きました。(〃゚∇゚〃)ささやかですが、お読みいただいたお礼です~
また、新しいお話しでお目にかかりたいと思います。  此花咲耶



おまけ 【草餅の契り】


(´・ω・`) 鶴千代 「杏一郎、どうしよう。明日が水練の日なのに……六尺が上手く結べぬ……」

(`・ω・´)杏一郎 「おかしいですね。わたしが締めるのをよくご覧になって、同じようにご自分でなさってみてください。」

(´・ω・`) 鶴千代 「あのね……乳母やが一人でお出来にならないときは、わたくしをお呼びなさいって言うの……」

( *`ω´) 杏一郎 「駄目です。いずれ藩主さまになられるお方が、水練の授業の度に、藩校へ乳母どのを呼びつけるおつもりですか。下帯一つ締められずに乳母どのを呼ぶなどとは情けない。お教えするわたしの立場もお考えください。さ、もう一度。」

(´;ω;`) 鶴千代 「……だって……後の布が長すぎて余ってしまうのだもの……くすん……」

(`・ω・´)杏一郎 「ああ……鶴千代さまはまだお小さいから、晒しが余ってしまうのですね。そういう時は切ってしまうのです。すみませぬ。わたしの配慮が足りませんでした。」

(´;ω;`) 鶴千代 「……もう、怒ってない……?ちゃんと、練習するから。」

(`・ω・´)杏一郎 「怒ってなど居りませぬ。杏一郎は鶴千代さまが大好きなのですから。」

(〃゚∇゚〃) 鶴千代 「鶴も~!」

(*⌒▽⌒*)♪杏一郎 「では一休みして、おやつを頂きましょう。実はわたしの母上が草もちを作ってくださったので、二人で食べようと思って持って来たのです。ほら……ここに。」

(〃゚∇゚〃) 鶴千代 「わ~い、草もち~、好き~」

(〃^∇^)o彡○ 杏一郎 「はい。鶴千代さま、あ~ん。」

(〃゚∇゚〃) 鶴千代 「あ~ん……」

..+:。(*-ω-)(-ω-*)゚.+:。「おいしゅうございますね。」「うん。おいし……」

****

|゚∀゚) 乳母 「鶴千代さま。一息入れまして、そろそろお茶にいたしま……あっ!!」

Σ( ̄口 ̄*) (°∇°;)  杏一郎 鶴千代 「あ、お乳母どの!」「乳母……」

ヾ(。`Д´。)ノ 乳母 「また、お毒見役を入れずに、若さまに勝手に餅など食べさせて!こら~~」

ε=(ノ゚Д゚)ノ 鶴千代 「きゃあ~~」

ε=(ノ゚Д゚)ノ 杏一郎 「すみませぬ~~!」

(´-ω-`) 乳母 「まったく……双馬殿のあの甘さと言ったら、草餅の餡ほども甘いのですから……しかも、本人は厳しい兄分のつもりでいるのですからね~……ぶつぶつ。」



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6 Comments

此花咲耶  

ちよさま

> 「杏一郎が好きじゃ……心の内で慕うのは 良いか?」
>
> 主君となることを心得てはいるものの、
> 鶴千代の小さな望みがいじらしいですね。( ノД`)…

ありがとうございます。なかなか、ままならない若さまの生活でっす。(`・ω・´)
我慢ばっかりよ……(´・ω・`)

> 互いに思い会う主従関係、
> 揺らぐことなく、深く信頼しあっているのは、
> まさに金襴の契りなのでしよう…。

これほどまでに思いを寄せることは、現代の世界ではあまりないと思います。
だからつい、過去の世界に夢を追ってしまうのです。

> ステキなお話をありがとうございました!!

こちらこそ、お読みいただきありがとうございます。(〃゚∇゚〃) しかも、勝手にお名前使っちゃってすまぬ~

> 次のお話は、どんなお話かな~?
> 楽しみにしております!!
> ((o・ω・o))ウキウキ~

実は以前に違うサイトで、別名で書いていたお話が有るのです。設定から立て直して違う話として書こうと思っています。余りかいたことのない、孤独なホストのお話です。
少し時間がかかると思いますが、待っててね。(〃^∇^)o彡またね。

2013/04/10 (Wed) 00:08 | REPLY |   

ちよ  

「杏一郎が好きじゃ……心の内で慕うのは 良いか?」

主君となることを心得てはいるものの、
鶴千代の小さな望みがいじらしいですね。( ノД`)…

互いに思い会う主従関係、
揺らぐことなく、深く信頼しあっているのは、
まさに金襴の契りなのでしよう…。

ステキなお話をありがとうございました!!

次のお話は、どんなお話かな~?
楽しみにしております!!
((o・ω・o))ウキウキ~






2013/04/09 (Tue) 22:58 | EDIT | REPLY |   

此花咲耶  

Re: タイトルなし

> 良い友情が続き、繁栄するのでしょうね。
> 此花ちんが乳母に思えるのは気のせいでしょうか☆
> またね。

(ノ´▽`)ノヽ(´▽`ヽ)きゃっきゃっうふふ~な二人は、この先もずっとこんな感じで過ごすと思います。
乳母やは、寡婦で筆おろし担当です……このちん、乳母……きゃあ~♪(*/д\*)

(´;ω;`) 鶴千代 「絶対、やだ~~~杏一郎だけで良い~~」

( *`ω´) 此花 「なんだと~こら~!」

2013/04/09 (Tue) 20:39 | REPLY |   

nichika  

良い友情が続き、繁栄するのでしょうね。
此花ちんが乳母に思えるのは気のせいでしょうか☆
またね。

2013/04/09 (Tue) 18:47 | REPLY |   

此花咲耶  

鍵付きコメントsさま

そうでした。(〃゚∇゚〃)
親子の縁はこの世限り、夫婦の縁はこの世からあの世まで続き、主従の契りは過去・現在・未来の三世にわたるのでした。
教えてくださってありがとうございました。
番外編の二人に萌えてくださってうれしいです。コメントありがとうございました。
(〃^∇^)o彡T←お礼に六尺~■━⊂( ・∀・) 彡 ガッ☆`Д´)ノ

2013/04/08 (Mon) 23:00 | REPLY |   

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2013/04/08 (Mon) 21:09 | REPLY |   

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