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落日の記憶 14 

雪華太夫は、登楼した馴染みの客に自慢げに新しい弟分の話をした。

「わっちは心底驚いたのでありんす。本郷の宮様が連れてきたあの子は、真に思わぬ拾い物でござりんす。何もわからぬ若さまを哀れと思って、様子を見ておりんしたが、どうしてどうして……」

嬉しそうに話をする雪華花魁を見やり、うんうん、と馴染みは肯いた。

「器量もいいし、心映えもいいと言うんだろう?この頃雪華は、あの子の話ばかりだね。一度逢わせてほしいものだ。」

「あい。いつか、きっとお引き合わせいたしんす。今はまだあの子は髪が短くて、玉簪も落ちてしまうのでありんす。」

「そうかい。楽しみだね。」

雪華花魁は馴染みと肌を合わせ、羽二重のふとんの中にいた。
戦後も花菱楼には、昔と変わらず多くの粋人が顔を出す。軍人の姿を見ることはなくなり、上客だけが残っていた。
艶めかしい行燈の明かりの中で影が重なり、雪華の喘ぎが響く……

「主さん……わっちはどうにも、あの子が……可愛くてならんのでありんすぇ。……あぁ……」

主さんと呼ばれた雪華花魁の馴染み澄川は、桜色に染まった泡沫の愛人の背中に手を回し、確かめるように撫ぜた。芳しい長い髪がうねり、薄く汗をかいた背中に張り付いて筋を作る。
くんと下から腰を突き入れられ、息を詰めた雪華は白い喉を見せた。

「わたしには、そう言うお前が可愛くてならないのだがね。」

「わっちは……ささめを見ていると、自分を、見ているような……気がするでありんす……」

「そうかい。小さな荷物を抱えて、私の前で挨拶をしたあのころのお前のようかい。大きな目にいっぱい涙をためて、いじらしかったねぇ。」

「あ……い。年の頃も同じでありんす。主さんに助けていただかなかったら、わっちは今頃どこぞで野垂れ死んでいたでありんしょう……星の光も見えない暗闇で、朽ち果てるのを待っているばかりでありんした。」

雪華花魁はくっとのけぞると、昂まった相手を更に奥へと深く飲み込んだ。
澄川の目の前に対面座位で乱れる雪華の艶めかしい肢体が、白木蓮の花のようにほの白く揺れる。

「あ……ぁ、主さん……わっちのいいところに……あぁ……もっと、主さんをおくんなまし。」

「こうかい?雪華……駄目だよ……、そんなに締め付けては早くいってしまうよ。」

澄川は雪華の顎を捉えると、口腔を蹂躙した。やがて雪華は身体をずらすと、澄川の下肢に顔を埋め屹立した雄芯に口淫を始めた。

「んっ……んっ……」

懸命に励む雪華の背に澄川は手を伸ばし、「雪華、もういいよ。十分だ。」と声を掛けた。
達していない澄川に、怪訝な瞳を向けた雪華に、お前は……と澄川は優しい目を向けた。すりすりと雪華は澄川の腕に頬を寄せた。




(〃゚∇゚〃) まさかの床入り描写……
拙いけれど、必要なのでがんばりまっす!(`・ω・´)

本日もお読みいただきありがとうございます。此花咲耶


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