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沢木淳也・最後の日 27 

「うああーーーーっ!!」

荻野は猛烈な痛みに転げまわった。鋭利な刃物は、筋肉の組織を断ち割る。
しかし、それでも荻野は手の中の拳銃を手放さなかった。

「くっそ~~!!雄ちゃんが好きだって言うから、殺すのを最後にしてやったのに。何で麻酔が切れてるんだよっ!化けものか、おまえは~~!」

すんでのところで、沢木は身体を投げ出し軌道はそれた。しかし、変わらず銃口は沢木に向けられている。
「鹿島!銃を取り上げろ!」

鹿島はこの状態にうろたえていた。
沢木は手術室で寝台の下に潜りこみ、再び数本のメスを拾った。相手の手に自分の拳銃がある以上、弾切れするまで時間を稼ぐしかない。
鹿島がどう出るか、殆ど賭けのようなものだった。痛みに耐えながら、闇雲に銃を構える荻野の眼は窪み、頬はこけ幽鬼のようだった。

沢木には経験があった。少しずつ間合いを詰め、相手に自分の姿を見せる。
手負いの荻野は、やみくもに弾丸を撃ち追い詰めてられてゆく。痛みは確実に、荻野を消耗させていた。袖口が真っ赤に染まってゆくのを認めて沢木は笑った。

「荻野。早く手当てしないと、出血多量で死ぬんじゃないか?それとも自分で、縫うか。」

「……このぐらいの血の量で、人は死なない。」

「貴様の当たらない銃よりは、俺の投げるメスの方が確かだぞ。次は動脈のある手首を狙う。」

「ち、ちくしょう~~!」

荻野は床に身体を投げ出して、銃を固定した。何とか痛む手で引き金を引く気だ。
だが、それこそ沢木の望んだ形だった。
伏せた状態で荻野は数回、リボルバーの引き金を引いた。必死に息を詰めて沢木の影に向けて撃ったが、銃弾はもう発射されなかった。撃鉄の落ちる音を数度聞いたのち、沢木はその前に立った。

「もう、終わりか?荻野。」

荻野は、正面に現れた沢木の姿を見て、その場に銃を投げ捨てた。

「雄ちゃん!……早く撃って!雄ちゃん、殺されちゃう!雄ちゃ……!」

「けいちゃん!」





短くてごめんね……(´・ω・`)

本日もお読みいただきありがとうございました。此花咲耶


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4 Comments

此花咲耶  

たつみきえさま

> 切羽詰まったこの背景。
> 引き込まれますねぇ。

(〃゚∇゚〃) きゃあ。ありがとうございます。

> きえちんも大人しく待っているから、健康とか家事とか優先させてくださいね。
> 良い子よいこのきえちんヾ(- -;)ナデナデ(しててやろうか…的な)

いい子のきえちんなので、ナデナデしておきます。(o・_・)ノ”(´・ω・`)
年末は、どうしてこうも忙しいのでしょう。きえちんも、無理しないで執筆活動、おうちのことがんばってくださいね。
コメントありがとうございました。(*⌒▽⌒*)♪

2012/12/21 (Fri) 19:54 | REPLY |   

此花咲耶  

けいったんさま

> 鹿島~!雄ちゃ~ん!
>
> 今 君が取る行動が どちらになるのかで
> 沢木の命が、
> 荻野の運命が、
> 決まっちゃうんだからね~~~!

(。'-')(。,_,)ウンウン 鹿島「わかっています。がんばります。」
ちゃんと頑張れるかどうかが、分かれ道です。鹿島は何を考えているでしょう……
>
> アッチ カナ?ヾ(´;ω;`=´;ω;`)ノ コッチ カナ? ...byebye☆
>
> 此花さま、御多忙の中の更新、いつもありがとう♪
> でも ほんとうに 無理な時は お休みしてね。
> 良い子で 待てるから~(○ゝз・)b⌒☆

良い子のけいったんさま。ありがとうございます。(*⌒▽⌒*)♪
クリスマスに隼とパパが会えるといいなって思います。
がんばります。(`・ω・´)
コメント、ありがとうございました。(〃゚∇゚〃)

2012/12/21 (Fri) 19:43 | REPLY |   

たつみきえ  

切羽詰まったこの背景。
引き込まれますねぇ。

きえちんも大人しく待っているから、健康とか家事とか優先させてくださいね。
良い子よいこのきえちんヾ(- -;)ナデナデ(しててやろうか…的な)

2012/12/21 (Fri) 10:24 | REPLY |   

けいったん  

鹿島~!雄ちゃ~ん!

今 君が取る行動が どちらになるのかで
沢木の命が、
荻野の運命が、
決まっちゃうんだからね~~~!

アッチ カナ?ヾ(´;ω;`=´;ω;`)ノ コッチ カナ? ...byebye☆

此花さま、御多忙の中の更新、いつもありがとう♪
でも ほんとうに 無理な時は お休みしてね。
良い子で 待てるから~(○ゝз・)b⌒☆

2012/12/21 (Fri) 08:55 | REPLY |   

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