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露草の記・参(草陰の露)7 

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歴戦で負った、引きつった傷の入った本多の無骨な手に指を絡め、それから幾度、露丸は美しい貌を傾け頬を寄せただろう。

「本多さま……。今宵もつゆを、たんと可愛がって下さいませね。」

百戦練磨の本多さえ、思わずぐらりと揺れる忍びの閨房の術……。
衣擦れの微かな音を寝所に響かせて、揺れる行灯の心もとない光に「草」は妖しく蠢いた。
夜目に浮かぶ白い足が薄く汗をかいてたわみ、素股が蜜壷となって本多を追い詰めてゆく。

「むっ……!十分に使えるようになったな、露丸。」

「……あい、本多さま。ご褒美を……。つゆに、たんと下さりませ……ね。」

平らな胸も寄せればわずかな明かりの中に、ささやかな膨らみを感じさせた。本多の武骨な手のひらが、紅く尖った小柱をこねると身を捩り喘いだ。

「本多さま……。ああぁ……っ……ずっと、お傍に……。ああ……もっと、深く……本多さまぁ……っ。」

「愛いやつめ……。達くぞ、露丸。」

「……ああーーーーっ……!」

露丸がほぐれたのは失った心の寒さを、何かで埋めようとしただけであったかも知れない。
それでも本多を熱を持って見つめる露丸は、確かに役目を理解していた。
露丸の意識を覚醒させた「お役目」とは何であったか。哀れと思いながらも、本多は露丸を最良の陽忍にすべく夜ごと抱いた。

「もう……もう、気が飛びまする……あぁ……っ……」

本多の身体に馬乗りになった露丸が、髪をかき上げる。見事、女となって腰をくねらせ本多を扱きあげた。

*****

房事が終わり、本多の雄芯に手を添わせ、清めの口淫をしようとする露丸の頤(おとがい)を摘み上げた。

「良いか、露丸。お役目に励んでいれば、いつか兄にも会わせてつかわす。」

「本多さま……。ほんとう?玄太にぃに会わせてくださるの?」

「いつかな。見事、天下を狙う徳川さまのお役に立ってみよ。さすれば、願いがかなう日も近い。」

「あい。必ず、必ず……。」

ぽろぽろと清らかな珠が、転がり落ちた。

哀れと思いながらもそんな優しい嘘を口にする本多の懐に、露丸は身を捧げ縋った。
いつか本当に、大好きな玄太に会えると信じたかった。

養父はそんな露丸に、何の心境の変化かは知れぬが、これで肩の荷が下りたと喜色満面だった。軍議の末席に参加することさえ許されて、養父は自分の地位が少しずつ上がる手ごたえを感じていた。

*****

慣れた手つきで白粉を塗り、紅花で唇と爪を染め、別人に顔を変えた露丸は、見事にどこかの藩の艶なお手つき中臈(奥女中)になる。
肩からするりと華やかな打衣(うちぎぬ)を滑り落とし、頬を染める曲者は、そっと相手の胸に顔を埋めた。

「殿さま。どうぞ、あかりを消してくださりませ。……そんなにご覧になっては、わたくし……お恥ずかしゅうございます。」

甘い吐息で相手を絡めとるのは、容易い。
幾度も国を傾けながら、露丸はいつか兄と会えると本気で思っていただろうか。

いつか義兄に会わせると言う、本多と交わした約束は守られることはなかった。ぎやまんの菓子入れに報酬の砂糖菓子ばかりが増えてゆく。

首尾よく任務を果たした後、必ずねだる菓子を捻った和紙に包んで準備し、本多は露丸の告げる成果を待った。





おにゃの子にしか見えないぞ。(`・ω・´)

(*ノ▽ノ)キャ~ッ 「そう見えるように、頑張ってるんだも~ん。」

もう少しいろっぺ~絵を描くはずだったのですが、お振袖に似合いそうな素材を見つけてうれしくなってしまいました。うふふ~(*⌒▽⌒*)♪

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