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わんこと夜のうさぎ 4 

「ただいま~!」

「ナイト、どこ行ってたんだ。とっくに飯の時間過ぎてるのに。」

「お肉もらった~!」

俺は貰って来たタッパーを広げながら、今日の不思議な出来事を夏輝と文太に話した。
川べりで妙な奴に会ったことと、そいつの家に行ったこと、そいつがいきなり消えたこと。
平らな土饅頭のところに佇んでいた悲しそうな奴の事。
そして、オージービーフのおばさんの話。
食べながら話していると、文太が話を止めた。

「……おい、ナイト。それって色々やばい話じゃないのか?」

「やばい?」

「河原の土饅頭って、そいつの墓?」

「そうじゃないかな、悲しそうな顔でこっちみてた。」

「お前、霊とか見えるの?」

「わんこだもん。神様とだって話できるぞ。」

「すごいな……。そいつ、この肉を呉れたおばさんの捜している子どもじゃないのか?」

そうなのかな……?

「なんだか、似てたよ。」

そう言えば、土饅頭に向かってあいつは「ナイト」って声を掛けてわんわん泣いてた。

「もし……もしね、埋まっているのが、おばさんの七糸だったら俺はどうしたらいい?消えた奴は七糸って泣いてたよ。」

肉をつつく、夏輝と文太の箸が止まった。

*******

次の日、二人が言うようにタッパーと、お返しのりんごを二個持って俺は人型になり、おばさんの家を訪ねた。
昨日、長い時間人型だったから、ちょっとふらふらする。
身体が大きくなると「ねんぴ」が悪くなって疲れやすくなるんだ。
玄関のベルを鳴らしたら、中からおばさんの叫び声が聞こえた。

「シロ!どうしたの、シロッ!?」

ただ事ではない様子に、俺は飛び込んだ。

「おばさんっ。どうしたの!?」

おばさんの手の中に、息絶え絶えの小さな白い生き物がいた。
思わず縋るような目で俺を見つめたおばさんは、すごく慌てているように見えた。

「ああ、ナイトくん。この子ずっとご飯を食べなくて心配していたのだけど、様子が変なの。いろいろ電話して、犬猫病院を当たってみたのだけど、うさぎを見てくれる病院がなかなかなくって。血尿が出て……どうしましょう。」

そっと大切に籠に入れられ、おばさんはこれから病院を探して連れて行くのだという。
俺は直感した。
こいつ、昨日の河原で俺に抱きついてわんわん泣いた奴だ。
うさぎだったのか。
だとしたら、白狐さまのところに行ったが話が早い。

「おばさん、これ昨日のタッパーありがとう。俺、いい病院知っているから連れて行くよ。」

「迷惑じゃない?お願いしてもいいのかしら……。」

「俺が走る方が早いよ。」

任せてと言ったきり、俺は籠を受け取り必死で白狐さまのところへと駆けた。
はっはっと、短く激しい息遣いが、うさぎの切羽詰まった様子を物語っている。
状態が尋常ではないのは、俺にでもわかった。
気を失いかけた小さなうさぎが、俺を見上げて「七糸だ……」と、うれしげに呟いた。
俺の名を呼んだのではない事だけは確かだ。こいつ、早く命を手放して、飼い主の元へ行きたいんだ。





昨日はどうやら、pingとか飛んでなかったみたいでした。(´・ω・`)
ランキングに参加していないと、あまりブログ村とか気にしないのでごめんね。此花咲耶

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