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わんことおひさまのふとん 15 

小犬に戻った俺は、夏輝の腕の中で幸せな夢を見ていた。それは不思議な夢だった。

*****

父ちゃんが暗い河原で、濡れた段ボール箱を覗き込んでいる。
ものを言わなくなった小さな犬の躯を抱き上げると、父ちゃんはふっと息を吹きかけた。

「目覚めよ、息子たち。さあ、父が迎えに来たぞ。」

ぺたんこの腹の小犬たちが、薄く目を開けた。

「一度、今生の命を手放さないと、狗神の神域には入れないんだ。辛い目に合わせて済まなかったな。」

「とうちゃんだ~。え~ん……」

「行くぞ。もう、お腹が空いて泣くことはないからな。お前たちはみんな、狗神の修行に行くんだ。」

狗神の父ちゃんは、狗神の大神と言われる創造主のところへ兄ちゃんたちを連れて行った。
兄ちゃんたちは、修行をして俺よりも先に狗神になる。
夢だけどこれはきっと夢じゃない。
だって、目が覚めた時、庭の犬小屋の前に俺と同じくらいの小犬の足跡がいっぱいあったんだ。スタンプを押したみたいにハートの形にね。

「ナイト!朝ご飯だぞ。」

たまごかけごはんのいい匂いがする。
あつあつごはんに、とろとろたまご。

俺の「おひさまのふとん」夏輝。

だいすき。




わんことおひさまふとん―完― 




「あとがき」

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

二部は、「わんこと夜のうさぎ」です。結局、夏輝のもとに残ったナイトは、楽しい日々を過ごしています。
ある日、河原で出会った不思議な出会い……そいつは夜の匂いがした。……というお話です。
続いてお読みいただければ嬉しいです。
もうしばらくランキングからは外れておきます。

過去作品をお読みいただいている方、拍手ありがとうございます。
励みになります。がんばります。(`・ω・´)



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