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一片(ひとひら)の雪が舞う夏に 23 

雑多な日々を重ねながら、季節はゆっくりと廻ってゆく。足元には、とげのある鈴懸(すずかけ)の丸い実が転がっていた。
おれは三崎と二人で、がんがん仕事をし、社内でも揃うと良い働きをすると一目置かれ始めていた。
いつか手柄を横取りしようとした上司に成果を報告し、歯の浮いた褒め言葉を掛けられたのにも、余裕で笑顔を返した。

「最初に叩いていただいたおかげで、こうやって仕事ができる気がします。ありがとうございました。」

気恥ずかしげな思いもあるのだろう、あれから上司はずいぶん組みやすくなった。
言葉というのは不思議なもので、素直に感謝を口にして以来、互いの間の空気すら和らいで仕事がしやすくなった気がする。それとも、おれが成長して人間が丸くなったという事なのか。
一つ大きな仕事を片付けると、連鎖のように次の仕事の糸口が見つかるのが面白かった。
こういうのを、やりがいがあるというのだろう。一日があっという間に過ぎてゆく。

「なぁ、三崎。正月にはゆっくりと休めそうだな。」

「はい。いつか先輩と旅行したいと思っていましたから、うれしいです。ぱ…父が、前から行きたかったホテルのツインの予約を取ってくれました。」

「大事なみぃたんのお願いだからな。甘いパパだ。どこのホテル?」

「東北です。先輩が行けなくなったら、おれと行こうって言ってましたよ。早く、子離れしてほしいです。」

吹きそうになったが、何とかこらえた。

*****

三崎は、週末はおれの家で過ごすようになっていた。
いそいそと、スーパーで食材を買い込むおれと三崎は、周囲にはどんな風に見えているだろう。顔見知りになったレジのふくよかな女性が、こぼれんばかりの笑顔を向けてこういった。

「男同士で仲良くしていないで、早くお嫁さん貰いなさいよ。」

「そうですね。いい人が居たら世話してください。」

営業スマイルを向けたら、三崎がカートの滑車でおれを踏んづけた。

「てっ!」

涙目で三崎が睨んでいた。冗談だって。
両手いっぱいの荷物を持って、帰宅するおれたちはきっと買い出し途中の先輩後輩ってところなんだろう。冷蔵庫に放り込むのもそこそこに、おれ達はごく自然に互いに手を伸ばした。長いディープキスで、三崎の口腔を蹂躙していると時間があっという間に経ってしまう。逃げる三崎の舌を追いかけて、根元を吸い上げると三崎の全身が震えた。

「は…はふ…っ。」

「やっぱ、続きは風呂に入ってからだ。塩味の三崎もうまいけどな。」

ぎこちなかった三崎とおれも、少しずつ慣れてセクスにも法則が出来つつある。二人の手順通りに、三崎は足元にひざまづき飛び出てきたおれの分身を、そっと握り締めた。秋口とはいえ、日中はまだ汗ばむ陽気の日が続く。
しっとりと湿気を持ったおれの陽根に躊躇なく触れ、潤んだ先端の鈴口にちゅ…と唇を寄せようとする三崎の頭を押した。

「こら。風呂に入ってからだ。」

見上げる三崎の顔。

…可愛い。




(〃ー〃) さりげなくエチ~

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