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一片(ひとひら)の雪が舞う夏に 21 

殆ど初心者みたいなおれは、持っている知識を総動員しながら、じっと三崎を観察していた。
薔薇色に染まった三崎は、おれが触れるたびにびくびくと腹の筋肉を波打たせ、身を固くしていた。三崎も、初めてなんだろうか…。

聞いたらまた、涙目になって怒りそうだから質問は止めにしておく。
おれを受け入れる予定のそこは、固くしまって熱く、ぎちぎちに窮屈な場所だった。ゆっくりと指を入れてなじませるのさえ狭く、指先を食いつかせたまま、ほんの少し動かすのさえかなり骨が折れた。

潤滑油は文字通り、キッチンのオリーブオイルが役に立つ。本来なら、甘い匂いのするローションなんぞを使うのだろうが突然なので用意できていない。間に合わせの瓶のラベルがヴァージンオイルというのに、妙な勘繰りをするのはおれだけだろうか?(そら、そうだろ。)
おれの分身は行き先を求めて、ぱんつの中でびんびんに猛り狂っていたし、三崎も欲している。だが、余りにも三崎のそこは狭く、そっと探知した指の第一関節を締め付けたまま解れず、それ以上の侵入を決して許さなかった。
三崎は、固くてごめんなさいと泣いていた。オイルをゆっくりと注ぎ、時間をかけても頑ななそこは、異物が侵入するのを拒否していた。怖い…と確かに、三崎がつぶやいたのを聞いた気がする。

「三崎…。大丈夫だ、無理なことはしないから。もっと、楽にして大きく息を吸ってみな。で、大きく吐くんだ。」

「ひっ、ひっ、ふ~~~~…?」

「…それは、妊婦がいきむ時の掛け声だ。」

「あぅ~。」

思わず顔を見かわして、笑い転げてしまった。腹を打つ屹立に指を添えて、ゆっくりと三崎はおれを扱きあげた。オイルをまぶしつけられ、ぬらと輝くおれの猛寧な怒張に三崎は目を見開き戸惑っていた。三崎のものと比べると、質量も形も色もまるで大人と子供のものほど違っている気がする。暴れん棒さんで、ごめんな。

「先輩のこれ…、ぼくの後に、挿れるの…?ちょっと、無理そう…。」

「いつかな。今は無理に入れなくてもいいさ。指だけでぎちぎちなんだから、捩じ込んだら三崎が壊れちまうだろ。大事にするから…うっ、三崎、こするのやめろって。」

でも…と、三崎は涙ぐんだ。この子、こんなになってるのに…と。
確かに行き場を求めて、先端からは先走りが糸を引き、おれの意思とは真逆に切なげに張りつめていた。

「三崎。うつ伏せになって、じっとしてな。」

「な…に?何するの、先輩?」

「無理に入れなくても、ここを使うから大丈夫だ。…ほ、ら…熱いおれを感じるだろう。」

その場に落ちていたガウンの紐で、おれは三崎の膝を合わせ固く縛った。尻の下に疑似性器を作って、そこにおれ自身を挿しこみゆっくりと抜き差しする。太ももの付け根に背後から覆いかぶさるようにして、おれは三崎を征服した。

「あっ…、あっ…。感じる、先輩を感じます。あーーーっ…!」

合わせた太腿に向かって、おれは懸命に腰を振り、前に回して弄ってやった手のひらの中の三崎も精を零した。危うく果てそうになって、おれは自分の分身の付け根を固く握りしめ、じっと耐えていた。
とろりと熟れた三崎が、身体の向きを変えやわやわと肉の鞘をこすりおれの息子に執着し始めた。

「中途半端でごめんね、先輩。でも、ぼくのこと、大切にしてくれてありがとう。いつか、きっと受け入れられるようになるから…。いっぱい愛してね。」

「ああ…、時間はたっぷりとある。」

精一杯のぎこちない手淫で、おれを追い詰める三崎をおれは愛おしいと思った。…ていうか、可愛い顔で真剣にごしごしするのやめてくれ。
なあ…雪男。お前はセクスの時、どんな声で啼くんだろうなぁ…。
下から見上げる三崎が、どうしても幼い顔の六花にかぶって見えた。

マンションの下の植え込みに座っていた六花。…どこを見上げていた…?
初めて会ったおれに、なぜあんな過去を見せた…?信用できるかどうかわかりもしないのに。
吐精と共に、猛烈な睡魔がおれを襲った。
実家の家紋の雪輪笹が脳裏で激しく回転していた…。

「源七郎さまぁーーーーっ・・・」

六花がおれの名を呼んで、喉を突く。

紅い花が散った。




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