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Archive: 2017年02月  1/3

隼と周二 狂った夏 3

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授業が終わり外に出ると、校門の側にそこだけ違和感を持った黒塗りの車が横付けされていた。 関わりになりたくない生徒達は、物言わずに通り過ぎる。押し出されるように、二人が車に近づいた。「逃げなかっただな、感心、感心」若い男がドアを開けて、乗るようにと顎を上げて促した。不安げに隼が後ろを見やる。「周二くん……」見たこともない車内のシャンデリアに、思わず息を呑んで腕に縋った隼の背中に、周二がそっと手を回して...

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隼と周二 狂った夏 4

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沢木と言う暴力団担当の刑事には、さすがの木庭組の面々も揃って頭が上がらない。「署に何本も電話が入ったんだよね~。校門前で高校生を拉致してゆく所を見ましたって。……説明してくれるか?」来客用のソファに、言われずとも深く腰を降ろし、ゆっくりと周囲を見渡した。「ご丁寧にさぁ、警察にナンバーと写メまで届いてるんじゃ、来ないわけにも行かなくてね。ほら、一応、俺このあたりの担当だから」「そ……そうっすね」「連れて...

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隼と周二 (続)狂った夏 1

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毎朝、靴箱の前で隼(しゅん)と視線を交わす。目が合うと、ほんの少し口角が上がって隼の頬が薄紅く染まる。くそぉ、昨日も今日も殺人的に可愛いぜ、隼。あの日から(俺が騙して拉致した日から)隼と俺の距離はほんの少し縮まった気がする。「おはよ」小さな声ですれ違いざまに、俺にだけ聞こえるように隼がささやく。俺には他に連れが居るので、声をかけたりはして来ない。隼といちゃいちゃするのは、放課後、部屋に連れて帰って...

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隼と周二 (続)狂った夏 2

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守役の木本に連絡して泣きを入れた。「周二だけど。この際、ブスでも年増でも何でもいいから、女抱かせて」「わかりました。自宅に呼びますか?」「頼む……」このまま放精しないままいたら、下半身がガチガチで石になってしまいそうだった。まじ、死にそう……。公園に潜み、若いお姉ちゃんが通るたびに、粗チンで猛アピールする変態野郎の気持がほんの少しだけ分かる気がする。もう顔なんてどうだっていい、頼むから俺を「イカセテクレ...

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復活……?

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再掲途中で、インフルエンザにかかってしまいました。さすがに動けなくなりました……情けない~当初の予定ですと、さくさくシリーズを終わらせて、新しいお話にかかるつもりだったのですが、ずれこんでしまいました。放置するつもりではなかったのですが、気持ちの入り方が違っていたのかもしれません。無理せずぼちぼち更新してゆきます。覗いてくださっている方がいらっしゃるようなので、お知らせだけしておくことにしました。此...

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隼と周二 (続)狂った夏 3

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ポケットに入れていたのが落ちたのだろう、足元の隼の携帯が喚(わめ)く。受信中になっているのは、「子連れ大魔神」の二つ名を持つ隼の父親、沢木からのものだった。開くと「パパ」とディスプレイの表示が点滅してた。「ひ、ひぇ~、やばっ、やばっ!お前、出ろっ」周二は木本に携帯を放り投げ、守役は任務を忠実に遂行した。(かなり嫌そうではあったが)「木本です。ただいま救急車で搬送中です。かかりつけの病院に?わかりま...

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隼と周二 (続)狂った夏 4

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隼の病室の外、ぼんやりと佇んで、俺は入室許可が下りるのを待っていた。あれから三日目、やっと沢木が逢うのを許してくれた。仕事で迎えにいけないからおまえが行けと、退院する日を教えてくれたので、すっ飛んで来たのだった。「周二くん。久しぶりだね」「隼……もう、大丈夫なのか」毎日通ってきてはいたが、ずっと隼の部屋に入るのは許されなかった。余りにひどいことをした罰だと思って、じっと(妄想の中で隼をあんあん言わせ...

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隼と周二 愛犬志願 1

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周二くんのおうちの、とらさんのカーペットが、クリーニング屋さんから返って来たの。うんと高い毛皮の敷物だったので、クリーニング代金は8万円だって。どうしよ……?車の修理費もまだ出来ていないのに、汚してしまった責任を取ってクリーニングの代金も借金として、ぼく沢木隼(さわきしゅん)は、背負うことになった。トラの毛皮の新品を買って弁償しろと、守役さんに言われたけど、高いのは無理だもん。正直、困ってる……周二く...

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隼と周二 愛犬志願 2

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トイレから戻ってきた周二くんは、大きな箱を抱えてちょっとうれしそうにしていた。「ほら、隼。好きなの選べ」「なあに?これ、犬の?」箱に入っていたのは、たくさんの首輪。何でこんなにあるんだろう?手錠は重くて、手首に痣が付くから動かしたくない。困っていたら、一つずつ取り上げて、周二くんがぼくの首に合うサイズを探して嵌め始めた。「重いよ……」幅の広い首輪は大きな鋲が打たれていて、肩にずんと重みがかかってつん...

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隼と周二 愛犬志願 3

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パパ沢木の冷酷な声が響く。「ずいぶん、楽しそうじゃね~か。俺も仲間に入れてくれよ……なぁ?」「ひぃっ。すんません!ホントすんません!」もう見慣れた、何度目かの土下座の風景だった。マル暴担当、沢木刑事が顔を出したとき、最愛の息子は隣の部屋で、真っ裸で手錠を嵌められ首輪をつけられていた。しかもご丁寧に、逃げられないように皮鎖でベッドの足と足首がつながれているという有様だった。「なんで、こういうことになっ...

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