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Archive: 2014年05月  1/1

新しいお話と、近況について

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お久しぶり~ふ♪でっす。(〃゚∇゚〃) HPの方に、手直しをした「だいじろうくんの事情」を、アップしました。油断していたら、こちらの方に、とんでもない広告が出始めて焦った此花です。新しいお話に取り掛かっています。半分くらいできました。そろそろ会津の時代物を書きたいと思っていたのですが、まだ勉強不足なので、今回はもう一作現代ものを書くことにしました。あれこれ書きたいものがあるので迷っています。着地点は決ま...

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漂泊の青い玻璃  【作品概要】

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再婚によって、兄弟となった三人の物語。 5歳の時、父を病気で失った大槻琉生(おおつきるい)は、不遇な環境で育った聞き分けの良い少年だった。生活を担う母が夜の勤めに出ている間は、入院している父の病室でひっそりと過ごした。やがて父が亡くなり、母は知り合いの勧めに応じて、二人の男児を持つ寺川というライターと再婚する。寺川の妻は子供を置いて、家を出ていた。金の苦労は無くなったが、なさぬ仲の子供たちは多感な...

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漂泊の青い玻璃 1

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バイトを終えてアパートに帰った琉生は、部屋に入るなり妙な違和感に襲われた。独り暮らしで誰も訪れるものなど無いはずの部屋に、誰かの気配がある。4畳半二間しかない奥の部屋に、点けた覚えのない灯りがついていた。「……あれ……?」そっと窺って寝台の上に誰かが横たわっているのを確認する。顔の方に毛布が掛けられ、血の気の無い足先だけが見えていた。鼓動が早くなり、昏い不安が広がってゆく。もしかすると、この場所を父に...

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漂泊の青い玻璃 2

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数時間後、ドアを叩く激しい音に、琉生はやっと気付いた。痛む頭を押さえ、這いながら何とかドアを開けた琉生は、今度はいきなり罵声を浴びせられた。「てめえっ!琉生っ!いるならさっさと出て来い。何分待たせるんだ。」「ごめん、ちょっと頭痛くて……」「で、親父は?」「……お父さんが、どうしたの?つか、何でここがわかったの……?」「親父から、動けないからからここへ迎えに来いって、メールが有ったんだよ。何かあったら言っ...

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漂泊の青い玻璃 3

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急ぎ自宅に帰ると、数台の赤色灯が回っていた。近所の噂雀が門から覗きこみ、家の様子を伺っている。「あ、この家の子よ。」「揃って帰って来たわ。」何か言いたそうなご近所のご婦人方に一瞥をくれたきり、言葉を交わすでもなく二人は玄関に入った。「兄貴。親父はどうしたんだ?警察と救急車が一緒なんて……酔っぱらって階段からでも落ちたのか?」「隼人……。父さんが自殺した。俺が救急車を呼んだ。警察にも電話したから、おそら...

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漂泊の青い玻璃 4

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検死の後、担当刑事は何度も寺川家に足を運んだ。刑事の訪問は、普通の家の者にとっては余り嬉しいものではない。隼人などは、くたびれたコートを着た渋谷という刑事に向かって、露骨に嫌そうな顔を向けた。「刑事さん?まだ何か?」「しつこくてすみませんね。現場に日参するのも仕事のうちでしてね。お邪魔しても?」「断ってもいいんですか。」「ああ、琉生さんもいらしたんですか。」「ええ。父の四十九日の法要が済むまでは、...

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漂泊の青い玻璃 5

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確かに琉生には、どこか浮世離れした雰囲気が有った。サイズの合わないシンプルな白い麻のシャツを無造作に着た琉生は、華奢な体つきのせいか、一見したところ男か女か分からない中性的な雰囲気がある。髪が伸びたのを緩く後ろで一つにまとめているせいで、余計にそう見えるのかもしれない。琉生は絵を描くのに熱心なあまり、自分の事にはかなり無頓着だった。様子を見る限り、血の繋がりがないという二人の兄とは、確かに上手くや...

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漂泊の青い玻璃 6

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12年前、母は琉生を、寺川は男の子二人を連れて再婚した。新しい父は、若い妻に逃げられ男手ひとつで二人の息子を育てるのに苦労していた。家政婦を雇うことは思い至らず、周囲も勧めなかったらしい。琉生の母は経済的に追い詰められ、心身ともに疲れ果てていた。互いに利害の一致した再婚だったと言える。しばらくは互いに気を遣い合っていた。新しい父は文筆業を生業にし、殆ど自室にこもって仕事をしていた。職業のイメージ通...

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