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Archive: 2012年09月  1/3

夏の秘めごと 6

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「サダ、うるさいぞ!みんな寝るんだから、静かにしてろ。」「あ、はい。すみませんっ。」前方に声を掛けたが、上谷の発した単語一つに心臓が跳ねたまま動悸が収まらない。試合の後で知ってしまったとんでもない事実に、禎克は焦りまくっていた。「あの……上谷先輩?ここよりも、キャプテンの所に行った方がいいんじゃ……?」「なんで?」「なんで……って。」顔色も変えない上谷に、さっきの二人の会話はなんだったんだと問いたくなる...

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夏の秘めごと 7

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潤んだ目で責めるように上谷を見たが、上谷は酷薄にも見える薄い笑みを浮かべたまま顔を寄せると、禎克の首筋を舐め上げた。「やめて、くだ……さい。」ぞくりと快感と悪寒が入り混じったような、例えようのない感覚が禎克を包んでゆく。肌が粟立った。悪意の込められた愛撫に翻弄されて、若い牡の先端は露を抱きしとどに濡れそぼっていた。理性では、追い詰められてゆく自分を制御できなかった。ふふっと、上谷が鼻先で笑う。「たま...

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夏の秘めごと 8

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数時間後、バスは正門前に到着し、すぐさまインハイ解散式が行われた。キャプテンが最後の挨拶をした。「今日は、各自ゆっくり休め。明日は一日休養日にする。明後日からは、ウインターカップ予選に向けて通常練習開始。いいな。」「はい!」「ん、金剛?どうした?いつも一番返事でかいくせに、今日はおとなしいな。」禎克は、何も言えなかった。キャプテンの横に佇む上谷を意識して、とても平常心ではいられなかった。「車酔いで...

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夏の秘めごと 9

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いつまでそうしていただろう。疲れていた禎克は、いつの間にか裏口のドアにもたれて眠っていたようだ。誰かの気配を感じて、目を上げれば小さな影が立っていた。「さあちゃん……?」「……。」逆光の中に、待ち人がいるのを信じられない面持ちで見上げた。ずっと会いたかったから、夢を見てるのかな……と思う。「さあちゃん。暑いのにこんなところで待っていないで、部屋に入ってれば良かったのに。」「……大二郎くん?」「待っててくれ...

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夏の秘めごと 10

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勝手知ったる小さな風呂に、禎克は湯を張った。シャワーだけでなく、きちんと湯につかりたかった。「さあちゃん、着替え持ってる?おれの使う?」「あるよ。一回戦で負けてしまったからね。」「あんなところで眠ってるんだもの、驚いたよ。汗だくでしょ?」「うん。 べたべた。」「ねぇ、さあちゃん。一回戦の相手って、強かった?」「うん。半端なく強かった。ガタイがでかくて、何度も飛ばされたよ。ほら、ここの所、痣になって...

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夏の秘めごと 11

大二郎は、それから思いもよらない話を打ち明け始めた。「お師匠さんとおれは顔は似てても、やっぱりまるでオーラが違うってことなんじゃないかなぁ?この間なんて、満員電車に乗ったら痴漢されちゃって。」「え……大二郎くん、痴漢されたの?」「うん。何かさ、手を前に回して来て、後ろからもぞもぞしてたやつが、おれのちんこに触って驚いたみたい。女の子だと思って一生懸命触ってたのに、柏木大二郎には顔に似合わぬ立派なもの...

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夏の秘めごと 12

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さっさと脱いでしまった大二郎は、締め付けられるのが嫌だと言って、部屋では元々何も身に着けない。ぬるま湯を掛けられた禎克は、背中を向けてそっと濡れたジャージを脱いでいた。別に恥ずかしくもなんともないのだが、下着がぬめって気持ちが悪かった。自分から出た物とはいえ、帰りのバスの中を思い出して憂鬱になる。そっと、汚れたぱんつだけを抜き取ってタオルに挟みこむと、シューズ入れに押し込んだ。大二郎が下からひょい...

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夏の秘めごと 13

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「こっち来て座って、さあちゃん。」忙しなくバスタオルを使った大二郎は、禎克の手を曳くと、寝台の横に坐らせた。湯上がりの肌にバスローブをふわりと肩から掛けると、膝を付いてうつ伏せになるようにささやく。戸惑っていると、こうするんだよと手を伸ばして伏せて見せた。「……こう?」視線を絡めて、変わらぬ笑顔を向ける大二郎にほっとする。「そうそう。さあちゃんが一番楽な方法で、いい気持ちになれるようにするから、おれ...

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夏の秘めごと 14

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BL的性愛描写があります。ご注意ください。「さあちゃん、も、いくよ。限界っ。」わずかに上ずった大二郎の声は、否応なく禎克を征服する覇者のものだった。抗えない禎克の喉が、言葉もなくごくりと上下する。背後から固いものが、ありえない場所に侵入しようとしているのを、身をすくめて待っていた禎克に、大二郎がささやく。「ゆっくり挿れるから……ね。さあちゃんは、そのまま、じっと、して……て。」強張った背中を、ゆっくり...

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夏の秘めごと 15

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二人はしばらく抱き合っていたが、やがて、どちらかともなく見合った。ぐ~……「大二郎くんのおなかが鳴った。」「おなかすいた~。」「そうだね。ぼくも。」それからルームサービスを頼んで、軽く食事をとった。何もせず抱き合っているだけで満足げな禎克に、本当はもっと愛し合いたいと大二郎は少し物足りなさも感じるが、元々淡白な性質なのかもしれないと思う。傍に居るだけで、そこかしこに散らばった至福のかけらを拾い集める...

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