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Archive: 2011年10月  1/3

最愛アンドロイドAU 13

男装の麗人のようだと言うので、近所の女の子は密かに金髪の兄貴の方を「オスカルさま」と呼んでいた。しかもご丁寧に黒髪の恋人が出来て、そっちについたあだ名は当然アンドレだった。確かに眺めているだけで、男装の麗人オスカルと従者のアンドレは、誰もがうっとりと見惚れるほど美しい恋人たちだった。あの綺麗な人は、どんな声で愛を語るのだろう。そう考えただけで、音羽の芯は放出したくなるほど熱を持った。「そういや確か...

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最愛アンドロイドAU 14

レシピエント……移植手術を待っている患者の事をそう呼ぶ。手当てを尽くし、移植手術が最終手段だとしても、簡単に手術というわけにはいかない。脳死患者からの移植には、驚くほどたくさんの待機患者がいたし、その順番を待つうちに果たせぬ希望に絶望したまま儚くなるものも多い。残された唯一の道は、生体肝移植という事になる。しかし、一口に移植といっても適合条件は多く、手術に至るにはいくつもの高い壁があった。デリンジャ...

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最愛アンドロイドAU 15

付添い用のベッドに浅く腰掛けて、あっくんは音羽に顔を向け泣きぬれていた。深く澄んだ海の色にも似た、濃い緑の瞳が涙で溺れそうになっていた。音羽を見るなり、小さく頭を振ってあっくんは脇をすり抜け、その場から逃げ出そうとする。音羽はあっくんを難なく捕まえ、やっと思うさま抱き締めた。どこかにぽかりと空いた喪失の感覚が、あっという間に満たされてゆくのを感じた。ほんの短い時間関わっただけなのに、とうに運命の半...

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Jガーデンと委託本とお知らせ

j庭に参加される「天使の箱庭」のkikyouさまが、お知らせ記事を上げてくださいました。ありがとうございました。箱庭チャットから生まれた、委託のコピー本がこんなにたくさんあります。是非お手に取って………お買い求めくだされば喜びます。(〃ー〃)←どさくさ。フレームの間(Bホール)「い05a」サークル名「天使の箱庭」☆「天使の箱庭」kikyou様 「天使が啼いた夜」1冊1200円               ...

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最愛アンドロイドAU 16

「音羽。ここに印を付けて。前みたいに。」「でも、手術前だからなぁ……。見えないところならって言っても……ないんだなよぁ。」逡巡する音羽に、ゆっくりとボタンを外すあっくんは、音羽の前から去ったのち吸痕が消えてゆくのが悲しかったと語った。「自分でちゅっとしようにもね、音羽は……届かないところにいっぱい印を付けたから、駄目だったの。腕の内側だけ、ほら、ちょっとだけ薄く残っているでしょう?でもね、ここもモデルだ...

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最愛アンドロイドAU 17 【最終話】

手術の日の朝。あっくんとオスカル……隣でそう呼ぶと、ルシガという恋人が青筋を立てて怒るのだが、もうすっかり音羽の中ではそんな名前になっていた。「違う~!って言ってるだろう。全く、物覚えの悪い医者だな。こんなやつに可愛い弟をくれてやるのか、厚一郎。考え直した方が良いぞ。」オスカルは愛おしい黒髪のアンドレに手を伸ばし、束の間の別れを告げた。「ルシガ。オスカルは……最愛のアンドレより後から……死ぬ……んだ。今の...

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「あっくん」…本名 上田厚志と、「あとがき」とちょっとだけ「お知らせ」

ある日突然、前触れもなく「アンドロイドAUを描いてみました。」と、ねむりこ画伯さまが送って下さったあっくんです。(*ノ▽ノ)キャ~ッ!話の中身をお話したこともなかったのですが、想像以上、お値段以上、ニトリなあっくんでした。美しいです……(〃ー〃)ぽ~~~っとしてしまいます。ささくれた心にしみる天使の微笑です。こちらはいただきものカテ(宝もの置き場)に格納するために再掲します。うっとり~送っていただいたサイ...

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夢見るアンドロイドAU  1

生体間肝移植手術が成功に終わり、ドナーのあっくんは無事に音羽の元に帰ってきた。レシピエントの兄、厚一郎も予断は許さないが、恋人ルシガの献身的な看病を受け、日々少しずつ快方に向かっている。一番厄介な、免疫性の合併症の発症も、今は抑えられていた。退院後、あっくんは病院の近くに住まいを移し、音羽と一緒に住んでいた。今はまだ、自宅安静が必要だったので、音羽は恋人兼主治医として一緒に居ることにした。これまで...

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夢見るアンドロイドAU 2

抜け殻のように残された、あっくんの七色ぱんつを握り締めて、音羽が茫然としていたその頃。輝く金髪碧眼、美貌の兄の厚一郎の胸で、あっくんはめそめそと泣きぬれていた。「あうっ……うっ……えっ、えっ……ん……音羽の馬鹿ぁ~……。」思いっきり日本名なのだが、上田兄弟は8か国の混血で、誰がどう見ても白人にしか見えなかった。ちなみに、兄の厚一郎の日本でのあだ名は、ラスカ……オスカルという。曾祖父が日系人で、一族の全ての男子...

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夢見るアンドロイドAU 3

あっくんが家出したのち、傷心の音羽は、診察に来た麗人オスカル……(あっくんの兄ちゃんの日本在住の頃のニックネーム)ではなく恐ろしい顔をした従者のアンドレ(こっちもニックネーム、本名はルシガ)の方に睨まれていた。ちゃんと順番を取り、偽名で予約を入れてきたから逃げようもなかった。恐ろしい形相に、看護師もさりげなく消えた。「あ……の~?何でそんなに睨みつけて居るんでしょう……?看護師が逃げましたよ、Mr.スタ...

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