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Archive: 2010年09月  1/9

小説・凍える月(オンナノコニナリタイ)・54

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最終電車の暗い車窓から見る都会の明かりは、どこか人事のように冷たいのに、暴力的に目映く溢れていた。トンネルに入ると、窓に自分の顔が映って、一気に現実に引き戻される気がした。オンナノコミタイナ顔・・・大好きなママに似た、オンナノコミタイナ顔・・・大好きなパパが嫌いな、オンナノコミタイナ顔・・・後悔と不安が同時に押し寄せてきて、ぼくのお腹をまた、しくしくと痛くさせた。女の子になりたかったなんて、これま...

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BL観潮楼・H22秋の企画【狂おしい秋・悩める少年S】

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小説・凍える月(オンナノコニナリタイ)・55

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そんな期待は、あえなく見事に消える。6年も前に住んでいた場所なんて、子どもがそんなにきちんと憶えているはずなんてない。だって、ぼくはまだ小学校にさえ上がっていなかったんだもの、とまるで言い訳のようにごちた。不安で押しつぶされそうだったけど、町の中が明るいのが気休めのように心強かった。夜も遅く、人通りはなかったけど、何故か光は消える事無く氾濫していた。そして、明け方近くになってとうとうぼくは、見覚え...

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BL観潮楼・H22秋の企画【狂おしい秋・悩める少年S】

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小説・凍える月(オンナノコニナリタイ)・56

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海広の小さな頬をぶったのは、一緒に暮らし始めて、初めてだったと思う。聞き分け無くぐずったことなど一度も無かったから。真っ白になった顔を引きつらせながら必死で、初めて海広は俺に食って掛かった。いつも穏やかな子どもで、逆らった事もないし、何かあってもうつむいて涙ぐんでいるような子どもだった。初めてぶちまけた本音の言葉は、俺の胸に刺さった。「パパの一番大切なのは、いつだって愁都くんだった。」と、海広は告...

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BL観潮楼・H22秋の企画【狂おしい秋・悩める少年S・3話】

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小説・凍える月(オンナノコニナリタイ)・57

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「本人は何度聞いても認めませんが、松原くんは隠れていじめを受けているようです。」「おうちで、お気付きになりませんでしたでしょうか?あの・・・腕の内側とかに酷くできてたはずですが。」初めて聞く話だった。海広は、毎日元気に学校に通っているはずじゃなかったか?「神経性の胃痛を起こして、度々保健室に通っていました。一応、医者に行くようにと言ったのですが、ご存じないのでしたら、病院へは行っていないのですね。」...

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BL観潮楼・H22秋の企画【狂おしい秋・銀色ペンダント前編】

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小説・凍える月(オンナノコニナリタイ)・58

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電波の届かない場所にあるか、電話に出られない・・・と、馴染みの機械音が流れる。手に取ったフォトブックの表紙には、見覚えのある球体関節人形のように関節に黒い紐をかけて丸い関節を模し、ぎこちなくポーズを取る幼い海広の姿があった。何の表情もない、ただ綺麗なだけの痛ましい少年人形。であった頃の、海広の姿を頭に浮かべた。無垢な美貌は、垢じみた子供達の中では、確かに浮いていたかもしれない。息をしていない人形の...

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BL観潮楼・H22秋の企画【狂おしい秋・銀色ペンダント後編】

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