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Category: Café アヴェク・トワへようこそ  1/6

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【Café アヴェク・トワへようこそ】始めます

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暑い日が続いております。皆さま、お変わりないでしょうか。お久しぶり~ふなのでっす。(〃゚∇゚〃) 明日から新しい連載を開始したいと思います。舞台は新しくカフェをオープンするところから始まります。主人公は、隼と周二のシリーズのチョイ役、「松本」です。これまであまり、いい役どころではなかった彼も、ついに主役です。そろそろ独り立ちさせてみようと、兄分の木本が店を持たせることを思いつきました。彼らの所属する木庭...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 1

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木庭組が新規事業として目を付けたのは、カフェ経営だった。水商売の寵児として、組長代行のままいくつかの店を抱える木本には、新しい店までは手が回らない。そこで、ずっと木本の傍に仕えていた松本を雇われ店長にしたのだが、松本は不服そうだった。「だりぃわ~。俺、本当は二番手のほうが良いんだけどなぁ……」しかし木本は、松本の自分への依存を見破っていた。このままでは独り立ちできない危うさが見え隠れしている。「親父...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 2

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荒木は苛々していた。松本が即決で雇うと決めた経験者の相良が、思ったほど役に立たないのを目の当たりにしていたからだ。「松本さん。もう一度聞くけど、あの子本気で採用する気?」「そうだけど。何か問題あるか?」「小さい店だからさ、厨房も忙しいときには、ホールに出るだろう?あいつ、恐ろしいほどどんくさいんだ。人前は使えないぜ?断るつもりなら早いほうがいい。」その時、ホールで派手な破裂音が響いた。「ほら、また...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 3

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「店長としては、相良くんをどうしたいわけ?」松本のきつい視線に耐えかねて、荒木が先に声を発した。「……あの不器用さは、時間がたてば何とかなるってもんじゃないっすよ。」「おまえ、気づいていなかったのか?」「は?」「良くは分からないけど、直のあれって「虎馬」……ってやつじゃね~のか?」「トラウマ?なんでそう思うんすか?」「俺じゃなくたって、あんな分かりやすいの、誰でも気づくと思うけどな……」松本は荒木が気づ...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 4

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一方で相良は、自分の駄目っぷりに落ち込んでいた。頭の中では、いつまでもこんな風ではだめだと分かっているが、誰かに背後から手を伸ばされると、全身が総毛立つ。松本が睨んだ通り、相良はある理由から人が苦手だった。笑い合って、賄いを食べる仲間に、打ち明けることもできない相良の傷は、いつまでたってもじくじくと癒えなかった。パティシエになりたくて、心機一転、新しい店でやり直そうと思っていたのに、中々過去を振り...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 5

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静かに水回りの拭き掃除をする相良に、松本は声をかけた。「直。切りのいいところで止めていいぞ。明日も頼むな。これ、直には店の合鍵渡しておくから。」「……はい。」「なぁ、直は前の仕事場で何か嫌な目に遭ったのか?……あ、すまん直球過ぎた。答えなくていい。」「……店長は、優しいですね。何か、話をしていると温かい気持ちになります。」「そうか?」「ええ。女の子たちが話していたでしょう。前の店のオーナーとは大違いです...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 6

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相良が帰宅したのち、松本はフランス語の辞書を眺めていた。そろそろ店名も決めなければならない。候補名はいくつもあった。「よう。」ノックと共に顔を出したのは、兄分の木本だった。「あ、兄貴。お疲れ様っす。」「どうだ、調子は?」「順調です。何とかスタッフも確保できましたし、荒木が帰ってきたらメニューをつめるつもりです。名前も、いくつか候補を絞りました。」「そうか。おれの手がなくても十分やっていけてるじゃな...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 7

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松本は、電話の向こうに、悲鳴のような切羽詰まった声を聴いた。「す、すみませんっ……店長。あのっ……。」「相良っ?どうした?何かあったのか?」「……今、自宅の前に……前の店のオーナーが……」「すぐ行く。待ってろ。」電話を切ると、松本は走りながら、そのまますぐに木本に連絡を入れた。「兄貴、松本です。例の奴とトラブってるみたいなんで、これから相良の自宅に行ってきます。住所は……」「わかった。手がいるようなら知らせて...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 8

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そこに松本がいるのが、力になったのかもしれない。相良は、カチャ……とチェーンを外して出てきた。緊張しているせいなのか、青ざめていた。「店長をやくざだというのなら、黒崎さんはなんだというんです。製菓学校を出たばかりのおれに、あんたが何をしたか言えますか?」「な、何を、言い出すんだ。人聞きの悪いことを言うな。合意だったじゃないか?私の所に来たいと言ったのは君の方だ。そうだろう?」黒崎は機嫌を取るように、...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 9

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松本は黒崎に近づくと顔を覗き込み、一般論を口にした。「わかるはずがない?……あいにくだな。わかるんだよ。例えば……裏ルートから出稼ぎにやって来た奴がいるとするだろう?……世間に疎いのをいいことに、パスポートを奪ってタコ部屋に囲い込み、家賃だと言って給料の殆どを巻き上げる。金のほとんどを奪っておきながら、家賃不足だ、生活費不足だと言って、強姦まがいに夜ごと自分の性欲処理をさせる。もちろん無料奉仕だ。不法滞...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 10  【R-18】

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BL的性愛表現があります。ご注意くださいまるで、物語に出て来る初々しい恋が、密やかに成就する瞬間のようだった。高い鼓動を気にしながら、二人はぎこちなく互いを抱いた。「俺でいいのか?……つか、男だけど有り?」降ってわいた幸せを半信半疑で問う松本に、腕の中で頬を染めた相良がこくりと頷く。「……おれ、シャワー浴びてきます。」「そのままでいい。」「でも、汗かいてるし……」「焦らすな、直。」「あ……っ!」Tシャツをた...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 11 【R-18】

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BL的性愛表現があります。ご注意ください。異物が入って来る恐怖と期待に震える固い尻を割り、少しでも苦痛が無いようにと気遣う松本の下で身を固くした相良が息を詰める。まだ、相良のそこは松本を受け入れるには青く、熟れていなかった。慌ただしく緑の小瓶の中身を手のひらに開けて、更に背後から下肢にまぶす。きちきちと薄く広がった後孔が、松本を受け止めた途端、相良が切なく声を上げた。「……あっ、あーーっ。」「直……っ!...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 12

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松本の腕の中で、相良は黒崎との出会いを、ぽつぽつと口にした。「直は、田舎から出てきて、ずっと一人ぼっちだったのか?」「いえ……。学生のころは寮だったんで、すぐ友達も出来ました。都内のカフェめぐりをしていて、黒崎と会ったんです。製菓学校の生徒だって話をして、いつかカフェをやりたいんだって言いました。何度か親身に話を聞いてくれたから、おれはすっかり信用してしまったんです。」「直……話すのが辛いなら、無理し...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 13

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心配しているだろう田舎の祖母に葉書を書いて、何もかもうまくいっていると知らせた。祖母は父にも、直は頑張っているようだよと、告げてくれるだろうか。だが、初めて渡された薄い給料袋の中身は、小遣い程度の微々たる金額だった。「え……?これだけ?おばあちゃんに仕送りできない……。見習い期間ってことなのかな。」最初はそういうものだろうと考えた相良は、数か月何も言わなかった。大好きな製菓を仕事にできた大きな満足感に...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 14

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「直は、あの蜥蜴野郎といつまで一緒にいたんだ?」「3年間です……」相良は自嘲気味に打ち明け、松本はその長さに驚いた。「そんなに長く辛抱したのか。直……良く逃げ出して来たな。一度、暴力の闇に引き込まれた奴は、なかなか抜け出せないものと相場は決まっている。家の扉が開け放されていても、外へは出られなくなるものなんだ。強かったんだな。」「おれ……強くなんてないです。今でも誰かが後ろから近づくと、恐怖がよみがえっ...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 15

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誰にも相談できず、追い詰められていった相良が、逃亡するきっかけを得たのは、幸運にも黒崎が取材でいない間、カフェで働いているときだった。客の広げた雑誌の「人気のカフェ特集」の文字に、ふと目が留まった。そして、見開きのページに見覚えのあるスイーツを見つけた。「あ……」どきどきと鼓動が高なる。「あの、お客様……それは……?」「あ、これですか?ここのお店です。雑誌に載ってるのを見て、友達みんなで食べに来たんです...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 16

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黒崎には、作り上げた自分の砂の楼閣が、波に浚われて消えてゆくのを、黙って見ていられなかったと言うことなのだろう。誰かを犠牲にしてでも守りたいものがある気持ちはわからないでもないが、方法が間違っていると松本は吐き捨てた。「それほど守りたい店なら、自分が死ぬほど努力しろって怒鳴りつけてやればよかったな。」「おれもいけなかったのかもしれません。スランプに陥っている黒崎の目の前で、自分には作りたいケーキの...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 17

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色々な場所の産直市めぐりを終えた荒木から、午後に帰ると連絡があった。「おう。荒木か?」思わず、相良が反応したのに、心配いらないと笑顔で手を上げた。「そうか。待っているから。俺はずっと店だ。……ああ、楽しみにしているからな。」髪を切った直を見て、どんな顔をするだろうかと、松本は楽しみで仕方がない。何もかも変わったとは言わないが、少なくとも今の相良は顔を上げて前を向いている。印象の変わった直は、明るく見...

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Café  アヴェク・トワへようこそ 18 【最終話】

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相良をちらりと見た後、黙って椅子を引き寄せた荒木は、銀の匙を取り上げると七色の層になったゼリーを口にした。たった一口で、爽やかな清涼感が口いっぱいに広がる。思わず向き直り、荒木は聞いた。「これ……シャンパン?」「いえ……サイダーです。カフェはお酒を出さないって言ってたから。シャンパンでもできますから、夜の営業ができるようになったら出せます。」「なるほどね。」二人の顔を交互に見ていた松本は、荒木の言葉を...

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【Café アヴェク・トワで恋して 】 始めます

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お久しぶり~ふでっす。(〃゚∇゚〃) 「Café アヴェク・トワへようこそ」の続編です。恋する松本と、パティシエ相良直のその後のお話です。お話しの方は正直言うと、まだ最後を書いている途中なのですが、着地点が決まっていますので連載開始することにいたしました。トラウマ持ちの直くんと、直を精一杯包み込もうとする松本の恋のお話です。松本は木庭組という水商売を家業に持つ、小さな組に属しています。ヤクザと言っても、地域...

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Café アヴェク・トワで恋して 1

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カフェが開店して以来、驚くほど売り上げは順調だった。荒木の作ったメニューは、老若男女問わず人気で、店長の松本は毎日上機嫌だ。「すげぇよなぁ、荒木。やっぱり決め手は味かな?」ちらりと松本を見た荒木の手は、せわしなく野菜を刻んでいる。「産直野菜のおかげっすよ。完熟の物が多いから、野菜の甘さが客にもわかるんだと思うんすよね。」「俺さ、茄子やトマトにこんな種類があるのさえ知らなかったぜ。」ふりふりと振って...

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Café アヴェク・トワで恋して 2

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同じ賄いを食べながら、松本と荒木は味のチェックをしている。余り濃くはない味付けが、野菜の味を引き出していた。「ちゃんとした飯を、そこそこの値段で食わせるのが受けたのかもしれねぇな。日替わりが20食限定ってのも、いいかもしれない。限定ってのに、皆弱からな。直……それは?」「食後のドリンクに付けた、苺大福です。」「うまそうだな……俺のは?」「ありますよ。後、今日は賄いにサーモンの南蛮漬けを作ってます。おい...

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Café アヴェク・トワで恋して 3

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結局、次の休みの日、店内には菓子用のショーケースが入ることになった。「スイーツの種類をいくつか用意できれば、尾上くんが言うように選ぶ楽しみもできるし。作るのは好きだから嬉しいです。」直は張り切っていた。「店としては助かるけど、直が無理しそうで心配だな。」「大丈夫です。すごく凝った物は無理だけど、大福とかは和洋どっちにもアレンジできるし、数を増やすのはそれほど大変じゃないから。あ、でも……厨房に入る時...

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Café アヴェク・トワで恋して 4

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頼みの荒木は視線を彷徨わせながら、いかにもとってつけたような棒読みで、話をした。「そうそう……熊ね……確か、えっと、灰色熊だったかな。とにかく、遊んでいるときに後ろの木陰からがばーっと熊に襲われて、それ以来、直は背後を取られるのが弱いと言うか……あれだ、ほら、とにかく直の背後に立つなってやつだ。」「あ~!それって、ゴルゴ13じゃない?」由美が話に割って入った。「ほら。俺の後に立つなって、デューク東郷の台...

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Café アヴェク・トワで恋して 5

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小さくため息をついた直に、松本が気が付いた。「どうした、直?」「何でもないです。みんな、優しいなって思って。」「そうだな。」「店長。……おれ、熊に襲われたことになったんですね?」熊に襲われたなどと、突拍子もないことを良く思いついたものだと思う。松本には、何の衒いもなかった。「ああ、あれな~。とっさに口から出ちまったんだよ。コモドオオトカゲに襲われた事にしたかったんだが、どこに住んでるかわからなかった...

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Café アヴェク・トワで恋して 6

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松本は不安げな直を引き寄せ、強く抱き込んだ。そうせずにはいられなかった。「直。どうしたんだ?」「店長……」「俺は直に、どうしてやればいいのかな。俺は馬鹿だから、直にとって何が正しいのかどうか、わからねぇんだよ。だがな、俺は直が可哀想だから抱いたんじゃない。抱いたのは俺が直を欲しいと思ったからだ。可愛くてどうしようもないから手を出したんだ。店を手伝ってもらう以上、俺が店長で直がスタッフになるわけだが、...

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Café アヴェク・トワで恋して 7

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二人、抱き合って、布団の中にいた。一つの卵の中で羽化を待つ二羽の雛のように、明方の透き通った時間の中、静かに互いの心臓の音を聞いていた。「直……?」返事の代わりに、両方の手が伸びて松本の首に巻き付いた。そのまま懐に深く抱き寄せて、体を入れ替える。「起きていたのか。疲れて眠ってしまったのかと思った。」心地よい疲れが、二人を包んでいた。横になっているだけで、すぐにまた、微睡が深くなりそうだ。細い顎に指を...

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Café アヴェク・トワで恋して 8

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直が眠ったのを見届けて、家に帰るはずの松本は、寝顔を見ながらそのまま寝込んでしまった。翌朝。短いアラームの音に飛び起きた松本は、慌てて服を着始めた。「うわっ。やべぇっ!着替えに帰る時間がない、直、悪いっ。すぐ出るから。駅前でタクシー拾うわ。」「あっ。待ってください。」「いや、いくらなんでも、このままじゃあかんだろう。せめて下着くらいは帰って替えないと、店に行けないからな。」「あの……ありますから。店...

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Café アヴェク・トワで恋して 9

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共働きの夫婦のように、caféアヴェク・トワに共に出勤した松本と直は、言葉を失った。カウンターの上に、大量の食材が乱雑に置かれていた。すでに荒木は、下準備に取り掛かっていたが、かなり不機嫌だった。「荒木。」「松本さん。これ見てください。」「どうしたんだ、これ。使えねぇのか?」広げられた食材の肉が変色している。「原因は?」「店に来たら、冷蔵庫の電源が落ちてたんすよ。しかも、ご丁寧に扉が開けられていたから...

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Café アヴェク・トワで恋して 10

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二人が調理に取り掛かったのを見ていた松本は、静かに電話を取り上げた。業務用の冷蔵庫のコンセントは、がっちりとしていて簡単に抜けるはずがない。荒木は口にしなかったが、その不機嫌さから意図的に抜かれたのを知っていると松本は理解していた。もしも、誰かが抜いたのだとしたら、それは店の営業妨害を狙ったのに違いない。考えたくはないが、鍵を直と荒木が持っている以上、普通に考えればどちらかの犯行になる。ありえない...

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